青木宣親のロイヤルズが大穴か? 今季の大リーグを占う――ア・リーグ編
東地区の注目は何と言ってもヤンキース
2014年のメジャーリーグが開幕した。史上初のオーストラリア開催となった開幕シリーズでは、ドジャースがクレイトン・カーショー、柳賢振の好投などでダイヤモンドバックスに2連勝。26年ぶりのワールドシリーズ制覇に向けて、好スタートを切った。米国本土での開幕は3月31日だが、今年のメジャーはどこが強いのだろうか。独断と偏見で占ってみたい。初回は日本人選手が多く在籍するア・リーグ編。
【東地区】
注目は何と言っても田中将大が加入したヤンキースだ。サバシア、黒田、田中、ノバに加え、オープン戦ではフェルプス、ピネダと先発5番手を争う2人が好調。田中も順調に適応しており、安定感のある先発ローテーションが完成しそうだ。問題は救援陣。リベラが抜け、ロバートソンを守護神に据えたブルペンがどこまで機能するか。先発が踏ん張っても、勝ち星を落とす試合が増えるかもしれない。
大型補強を敢行した打線も計算できるとは言い難い。マッキャン、ベルトランは結果を残しそうだが、エルズベリーはキャリアを通して負傷が多く、オープン戦の途中に早くもふくらはぎ痛で離脱した。今季限りで引退するジーターも、状態は全盛期から程遠い。一歩間違えれば、貧打にあえぐ可能性も十分にある。プレーオフ進出に当落線上と言えるだろう。外野手5番手とされるイチローの起用法にも注目が集まる。
昨季世界一のレッドソックスも今季は苦しそうだ。打線はエルズベリーが抜けて弱体化し、昨年ほどの爆発力はない。また、先発陣はレスター、ラッキー、バックホルツ、ドゥブロンら駒が揃うが、真のエースはおらず、崩れる可能性は十分にある。神懸かり的な活躍をした上原、田澤が支えるブルペンも、フル稼働した昨年の疲労が蓄積していないか心配だ。
となると、地区Vの最有力はレイズか。トレード確実と見られていたエース左腕プライスが残留。ムーア、コブ、アーチャーらをそろえる先発陣はリーグ屈指だ。昨季は不安定だった守護神ロドニーを放出し、アスレチックスからFAとなったバルフォアを獲得するなど、ブルペンも安定感がある。打線も主砲ロンゴリア、ゾブリスト、そして契約延長したロニーらが残り、力はある。名将マドン監督の采配も光るだけに、最激戦の東地区を制する可能性は高い。
オリオールズ、ブルージェイズも潜在能力は決して低くない。オリオールズは打線にクルーズ、先発にヒネメスを加えるなど的確に補強した。ブルージェイズもバティスタ、エンカーナシオンらが健在の打線は強力だが、昨年のように不発に終われば意味がない。投手陣の弱さも気になる。