【パ・リーグお仕事名鑑】空っぽの棚がやる気の源――楽天グッズ担当5年目・元バドミントン女子の挑戦
高校時代はタカマツペアとのプレー経験も
グラウンドの上で輝く選手やチームを支えているのはどんな人たちなのか。本連載「パーソル パ・リーグTVお仕事名鑑」でパ・リーグに関わるお仕事をされている方、そしてその仕事の魅力を紹介していきます。
楽天生命パーク宮城の正面ゲートをくぐると、ノスタルジックなつくりのグッズショップ「楽天イーグルス チームショップ」が目に飛び込んでくる。2015年に新設されたこのショップには、天井付近まで商品がずらりと並んでおり、まるで宝探しをしているかのような気持ちにさせてくれる。試合のある日には、開門と同時にファンでいっぱいになる空間だ。
全選手のグッズを揃え、商品ラインナップが非常に充実していると評判の楽天イーグルス。そのマーチャンダイジング部・店舗運営グループで活躍しているのが、2014年入社の富岡萌奈さんだ。仙台出身だが、学生時代はあまり楽天イーグルスの試合を観に来る機会はなかった。というのも、富岡さん自身が部活に夢中の青春時代を過ごしたスポーツウーマンだったからだ。
「高校時代はバドミントン部に所属して、全国大会を目指して頑張っていました。実は、あのタカマツペア(バドミントン日本代表の高橋礼華・松友美佐紀両選手のペア)ともプレーしたことがあるんですよ。関東の大学を卒業した後に、東京で医療事務の仕事に就いたんですけど、もともと体を動かすのが好きな私には座り仕事がどうも合わなくて(笑)。仙台に戻って仕事を探していた時に、たまたまハローワークでイーグルスのグッズ担当の求人を見つけました」
野球にはあまり詳しくなかったそうだが、その前年に楽天イーグルスは星野仙一監督の下で球団初の日本一に輝いており、それが大きな動機づけとなった。
「グッズを扱った経験もなかったですし、正直受かるとは思わずダメもとで応募しました。これはあくまで私の想像なのですが、面接ではバドミントンの話で結構盛り上がったので、もしかしたら『コイツ体力ありそうだな』って思われて採用されたのかもしれませんね(笑)。実際、試合がある日はスタジアム内のショップをあちこち走り回っているので、体力勝負でもあるんですよ。スポーツ経験者のスタッフも結構多いですね」