広島、引退表明の新井が歓喜の胴上げ 「最後は自分のところに飛んで来い」
クライマックスシリーズに向け「挑戦者の気持ちで臨んでいきたい」
■広島 10-0 ヤクルト(26日・マツダスタジアム)
今季限りで引退を表明している広島の新井貴浩内野手が、26日のヤクルト戦後にリーグ3連覇を達成した喜びを語った。
この日は7回に代打で登場してサードゴロに終わったが、そのままファーストの守備に入り、歓喜の瞬間を迎えた。「最高でした」と、悲願の地元での優勝を喜んだ新井は「最後は自分のところに飛んで来いと思っていた」と、冗談めかして取り囲んだ報道陣を笑わせた。
優勝決定後には、緒方監督に続いて胴上げをされた。「事前にやらなくていいとみんなには言っていたんだけど、やってもらえてありがたいですね」と笑顔を見せたベテランは「ファンの皆さんには、ありがとうという言葉しかない」と、チーム復帰後、熱い声援を送り続けたファンに感謝した。
自らの引退発表後にチームは6連敗を喫し、マジック1から2試合足踏みするなど、必ずしも順調な道のりではなかった。それでも「みんな落ち着いていたと思う」と、後を託す後輩に対して不安はなかった。リーグ3連覇で初の地元での胴上げとなり、「去年も一昨年も優勝は経験したが、地元では3回目で初めてなので、自分の思い出としても残ると思う」と感慨深そうに話した。
FA移籍した阪神から復帰後、自身も悲願だったリーグ優勝から3連覇を達成し、やり残したことは日本シリーズに勝つことだけとなった。「今日はしっかり喜んで、ここからまだ先がある」と、ポストシーズンへの意気込みを示した平成のミスター赤ヘルは「セのチャンピオンチームだけど、挑戦者の気持ちで臨んでいきたい」と、プロ20年目のシーズンでの有終の美を誓った。
(大久保泰伸 / Yasunobu Okubo)