大谷翔平を投打にわけて徹底比較 米メディアが検証「MVP級打者+CY賞級剛腕」

エンゼルス・大谷翔平【写真:Getty Images】
エンゼルス・大谷翔平【写真:Getty Images】

大谷の才能は「カメラのワンショットでは収めきれない」もの

 今季の大谷は一体誰のルーキーシーズンに似ているのか??。米スポーツ専門局「ESPN」公式サイトが、エンゼルス大谷翔平投手の「二刀流」についての考察記事を掲載した。大谷のプレースタイルと今季成績から、投打それぞれで誰のルーキーシーズンに似ているかを考察。今季を通じて投げる日と打つ日が分かれていたこと、来季は打者に専念することなどを理由に、常々引き合いに出される「ベーブ・ルース」ではなく、投打それぞれで近い選手を探し、検証している。

 その上で、記事は、投手と打撃の成績から、大谷が残した成績が誰のルーキーシーズンに似ているかを検証している。

 打撃では、23日(日本時間24日)現在の数字を使い、打率.281、出塁率.364、長打率.560という大谷の成績が、MLBの平均的な打者の数値より50%高いことに言及。さらに、MLBの平均的な打者より四球を選ぶ確率が36%高く、三振する確率も37%高いという。その上で、打者の長打力を図る「IsoP」という数値において、大谷はMLB平均を93%上回る数値をマークしており、典型的な長距離打者という姿が浮かび上がる。

 これをMLBの歴代プレーヤーに当てはめてみると、打者・大谷は1960年代~70年代に活躍したブーグ・パウエル(オリオールズなど)に酷似しているという。パウエルは実働17年で通算339本塁打を放った強打の一塁手で、シーズン30発以上も4回記録。1970年にはア・リーグMVPにも輝いている往年の名プレーヤーだ。その他、エンゼルスで球団史上初新人王を獲得したティム・サーモン、アスレチックス黄金期を支えたバッシュブラザーズの1人、ホセ・カンセコの成績にも似ているという。

 投手としての大谷は、奪三振率10.97、四球率3.83、被長打率.332といった数字をマークしているが、記事はもっとも似通った成績を1年目に残した投手としてエディンソン・ボルケス、僅差の次点でティム・リンスカム(ジャイアンツなど)の名前を挙げた。特にリンスカムとは「奪三振率が多く、四球率も多く、長打をあまり打たれない」という特徴において、統計的に非常に似通っているという。リンスカムは2007年から10年をメジャーで過ごし、通算110勝、奪三振王3回、サイ・ヤング賞2回、ノーヒットノーラン2回の剛球投手として知られた。

 以上のような分析から、記事では「本来なら、パウエルのような打撃とリンスカムのような投球を、1人の選手が同時に行うことを目にできない。だからこそ、投打二刀流は立ち止まって見る価値があり、大げさに語るに価値があり、スポーツ全国誌でも華々しく掲載される価値があるものだ」と結論づけている。大谷は、投打で成績を上げるたびに「ベーブ・ルース以来」という記録が何度も話題になったが、投打の才能を分けて考えることで、ルースとはまた違ったすごさが見えたと言えそうだ。

(Full-Count編集部)

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