高校生中心の広島、大学生偏重の阪神 …過去5年のドラフト戦略【セ編】
育成選手の指名で群を抜くが、上位指名は大学生を好む巨人
25日、都内で2018年のプロ野球新人選択会議(ドラフト会議)が行われる。毎年、高校・大学・社会人を中心に多数の選手が指名され、プロの世界に飛び込むが、各球団がそれぞれのレベルの選手をどんな割合で指名するかは、その球団の育成に対する考え方の違いが見えて非常に興味深いものがある。
過去5年間のセ・リーグ6球団の指名選手を、高校・大学・社会人・その他(独立リーグ・専門学校・卒業後しばらくしての指名など)に分類すると、以下のようになる。(指名選手はあくまでドラフト会議での指名。育成ドラフトでの指名選手はカッコ内に記載)
〇セ・リーグ
広島 高校生15人(育成4人)大学生9人(育成0人)社会人7人(育成0人)その他0人(育成1人)
明らかに高校生が多く、即戦力より2軍でじっくり鍛えて数年後の主力に成長させる志向。中軸を見ても鈴木誠也(2012年2位=二松学舎大付高)、丸佳浩(2007年高校生ドラフト3巡目=千葉経済大附)、クローザーの中崎翔太(2010年6位=日南学園高)と、高卒の生え抜きが占める。それだけでなく、大瀬良大地(2013年1位=九州共立大)、菊池涼介(2011年2位=中京学院大)、田中広輔(2013年3位=JR東日本)と大学、社会人からもしっかりレギュラーが育っている。
ヤクルト 高校生11人(育成0人)大学生11人(育成1人)社会人9人(育成0人)その他2人(育成1人)
ここ5年はバランスの取れた構成で補強している。ただ、ここ5年以内の入団で1軍で活躍している選手を見ると、西浦直亨(2013年2位=法大)、秋吉亮(2013年3位=パナソニック)、原樹里(2015年1位=東洋大)など大学、社会人の即戦力が多い印象。山田哲人(2010年1位=履正社高)、中村悠平(2008年3位=福井商高)など主力野手には高卒も多いだけに、この辺で投打ともに若い高卒選手の伸びを期待したい。
巨人 高校生10人(育成9人)大学生11人(育成9人)社会人9人(育成1人)その他1人(育成13人)その他0人(育成1人)
群を抜く育成選手の多さが特徴。特に独立リーグの選手を大量に抱える傾向がある。指名選手自体は各レベルとも平均的で偏りはないが、1位ではここ3年、大学生を指名しており、大学生を好む印象が強い。FA補強が多い関係で、2013年4位奥村展征(日大山形高)がヤクルト、5位平良拳太郎(北山高)がDeNAに人的補償で移籍している。