二刀流3年目をデータで振り返る 圧巻の「投手大谷」、伸び悩む「打者大谷」

圧巻のデータを残した「投手大谷」、更なる成長に必要なことは?

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2015年 投手・大谷翔平の被打率別ヒートマップ

 日本ハムの大谷翔平投手はプロ3年目の2015年シーズン、15勝(5敗)、防御率2.24、勝率7割5分とパ・リーグの“投手3冠”を達成した。一方で、打者としては打率2割2厘、5本塁打、17打点と低調な結果に終わり、課題を残した。

 日本球界を席巻し続ける右腕が、今年も投手として成長し続けるために、必要なことは何なのか。そして、打者としては何に苦しんでいるのか。ヤクルト、日本ハム、阪神、横浜と4球団で捕手として活躍した野球解説者の野口寿浩氏に、昨年の全投球の分布が分かる「球種別コース比重ヒートマップ」、結果球の「被打率別ヒートマップ」から「投手・大谷」、そして、打席での結果球の球種別成績、ヒートマップ(コース別打撃成績)から「打者・大谷」の課題を探ってもらった。

 まずは「投手・大谷」。野口氏はまず「大谷はヒートマップは関係ないんじゃないでしょうか」と言って笑った。常時150キロ台後半の直球を投じる男の投球は、それだけ圧倒的だ。昨季は被打率1割8分という圧巻の数字を誇っただけに、「被打率別ヒートマップ」はどの球種にも低打率を意味する「青」が目立つ。野口氏も「(被打率が)低いですね」とうなる。

 そんな中、ストレートのストライクゾーンで、高打率を意味する「赤」が出ているのは、左打者の外角低めだ。8打数4安打の被打率5割となっている。さらに、その上の2つのゾーンも真ん中が被打率3割4厘、高めが3割1分3厘。野口氏は「左打者が(体を)開いて1、2の3で一番打てるのはあそこ」と分析する。

「バットを出して“コン”と打ったら、人のいないところに飛んだという感じではないでしょうか。大ヤマを張って1、2の3で打ったら手が伸びるところですからね。(投球フォームで)ちょっと体が開くのが早くなると、ナチュラルなシュート系の球は本当に威力のない球になる。例え150キロ出ていても、150キロに感じない真っ直ぐになってくる。そういうところを左にコンとやられかねない」

 細かいミスを減らせば、被打率はさらに低くなることになりそうだ。

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