ロッテ・荻野貴司がプロ野球史上8人目 先頭打者ランニングホームランの“レア度”を振り返る

先頭打者ランニングホームランは過去7度

 あまり見られないプレーが起きた。5月6日のオリックス-ロッテ(京セラドーム大阪)でロッテの1番打者、荻野貴司外野手(28)が、1回表の初球。先頭打者ランニング本塁打を放ったのだ。積極的に打ちにいった打球は、レフトへ飛んだ。直後、左翼手のオリックスの竹原が転倒し、ボールはその頭上を超えて、バウンドしフェンスへ。荻野は俊足を生かして、ホームへ帰ってきたのだった。

 先頭打者ランニングホームランはプロ野球では過去にセ・リーグでは4度、パ・リーグでは3度。今回の荻野は2000年9月2日の西武・宮地克彦が近鉄戦で記録して以来、8人目だった。宮地氏のときも打球を処理しようとしたセンターの近鉄・大村が転倒し、その間に一気に生還したもの。セ・リーグでは現在米独立リーグのランカスターと合意したと報じられた坪井智哉選手が阪神時代の1998年7月4日の広島戦で先頭打者ランニングホームランを記録している。

 荻野のように「初球」に限って言えば、ランニングホームランだけでなく、先頭打者アーチ自体が珍しいのではないだろうか。高校野球の甲子園でも、先頭打者弾は時に生まれるが、とりわけ、プレーボールのサイレンが鳴りやまない中で飛び出した本塁打は、ファンの心に刻まれている。

 甲子園の歴史の中では、1990年の夏の甲子園で鹿児島実業の1番打者、宮下正一が、2回戦の高知商業戦でサイレンの音の中、打球をスタンドに運んだことが印象深い。宮下は本塁打を放った8月16日が誕生日でもあった。同氏は現在、鹿児島実業高校の監督を務めている。

 高校球児たちは思い切りの良さがあるため、このような全国大会でも先頭打者本塁打は、時折、見られる。2003年には現在、阪神に所属する上本博紀選手も広陵(広島)時代に夏の甲子園で放っている。

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY