最下位から2位に躍進したヤクルトの戦力整理…7選手に戦力外を通告
山本&松岡&武内は現役引退、由規&成瀬&久古は戦力外に
セ・リーグで2位に食い込み、クライマックスシリーズ進出を掴んだ2018年のヤクルト。クライマックスシリーズでは巨人の菅野智之投手にCS史上初のノーヒットノーランを達成されるなど、ファーストステージで敗退することとなったが、小川淳司監督の下で前年度の最下位から大きく躍進する1年となった。
ヤクルトはドラフト会議で国学院大の清水昇投手をドラフト1位で、2位では法大の中山翔太内野手を指名し、上位で即戦力を獲得。3位、4位では将来性を重視した明徳義塾高の市川悠太投手、明豊高の濱田太貴外野手を指名するなど計8選手を指名した。その一方で山本哲哉投手、松岡健一投手、武内晋一内野手の3選手が現役を引退した。
さらに、由規投手や成瀬善久投手、久古健太郎投手ら7選手が戦力外となり、助っ人ではジェイソン・ウルキデス投手が自由契約に。引退した3選手を含め、現時点で11選手が現役としてはヤクルトのユニホームを脱ぐことになっている。
では、今オフに現役引退や戦力外となった選手の実績を振り返ってみよう。
○山本哲哉投手(現役引退)
今季で9年目だった33歳の右腕。通算228試合6勝11敗14セーブ55ホールド、防御率3.07。和歌山県立南部高から近大、三菱重工神戸を経て、2009年のドラフト2位で入団。3年目の2012年に50試合に投げて中継ぎ陣の一角に入ると、2013年には一時クローザーも務め、キャリア最多の64試合に登板し11セーブ25ホールドをマークした。2015年にキャリアで2度目のトミー・ジョン手術。2017年に32試合に投げて復活したものの、今季はわずか4試合登板に終わり、現役を引退した。
○松岡健一投手(現役引退)
今季で14年目だったベテラン中継ぎ右腕。通算491試合32勝25敗4セーブ127ホールド、防御率3.78。東海大二高、九州東海大を経て2004年の自由獲得枠で入団。4年目に中継ぎとなると2008年から4年連続で50試合超に登板し、2010年には34ホールドをマークした。2012年は故障で7試合登板にとどまったが、2013年以降も貴重な中継ぎとして活躍。今季は14試合の登板に終わり、36歳の今季で現役を引退した。
○武内晋一内野手(現役引退)
智弁和歌山高、早大を経て2005年の希望入団枠で入団し、今季が13年目。通算786試合1154打数256安打22本塁打110打点、打率.222。左の大砲候補として期待され入団し、3年目の2008年にキャリア最多の116試合に出場。レギュラーには定着できなかったものの、左の代打の切り札として長らくチームを支えた。今季はわずか15試合の出場にとどまり、現役を引退した。
○由規投手(戦力外→楽天と育成契約)
2007年の高校生ドラフト1巡目で仙台育英高から入団。最速157キロの剛球を武器に1年目の2008年から2勝をマークし、2010年には当時の日本人最速記録となる161キロを記録。初の2桁勝利となる12勝をあげた。だが、2011年終盤に右肩を故障。2013年には右肩を手術し、2015年オフには育成選手に。2016年7月に支配下へ復帰すると5年ぶりに1軍で勝利。だが、今季、再び右肩の違和感を訴えて7試合登板に終わりオフに戦力外通告を受けた。その後、楽天と育成選手として契約。地元で再スタートを切ることになった。
○成瀬善久投手(戦力外)
今季が15年目だった左腕。通算249試合96勝77敗0セーブ0ホールド、防御率3.38。横浜高から2003年のドラフト6位でロッテに入団。3年目の2006年に頭角を現すと、2007年には16勝1敗という驚異的な成績をマークし、最優秀防御率と最高勝率のタイトルを獲得。2009年から4年連続2桁勝利をマークするなどロッテのエースとして君臨し、2015年にFA権を行使してヤクルトへと移籍した。ヤクルトでは2015年と2016年の3勝が最高の成績。今季は1軍登板なしに終わり、戦力外となった。
○久古健太郎投手(戦力外)
国士舘高、青山学院大、日産自動車、日本製紙石巻と渡り歩き、2010年のドラフト5位で入団。変則左腕として1年目から中継ぎとして活躍し、いきなり52試合に登板した。左手血行障害の手術を受け、2012年は9試合の登板にとどまったが、2013年からは再び左キラーとして4年連続で30試合超に登板した。2018年の春季キャンプで不整脈の症状を訴え、今季は1軍登板なしに終わって戦力外となった。