浅村&炭谷W流出の西武 突きつけられる後継者問題、候補となる若手は?
金子一、山田は1軍でプロ初本塁打も記録
2018年のFA戦線も、宣言選手の来季所属先がすべて決まり、幕を閉じた。宣言残留した選手、新天地を選んだ選手と行き先は様々だが、選手が流出した球団は人的補償やトレード、外国人補強、あるいは若手選手の育成により、穴を埋めなければならない。
今季10年ぶりにパ・リーグを制覇した西武はこのオフ、炭谷銀仁朗捕手、浅村栄斗内野手が流出。2人の後継者となれる可能性を秘める“若手有望株”はいるか、探ってみよう。(今年のドラフト指名選手は除く)
炭谷が流出した捕手には森友哉がおり、2番手には岡田雅利が控える。層の薄さは気がかりではあるものの、“ポスト炭谷”の台頭は急を要する事態ではない。
一方で浅村の流出により、穴の空く二塁手だ。もともと内野手だった外崎修汰が内野に戻り、源田との二遊間コンビを組む可能性がもっとも強い。しかし、外崎が内野に回れば外野の一角が空くことになり、若手外野手にもチャンスは出てくるだろう。“ポスト浅村”として期待の若手としては、次のような選手が挙げられる。
〇呉念庭内野手(2015年ドラフト7位)
国籍は台湾だが、台北市の中学校から岡山の共生高に進み、第一工大を経て2015年のドラフト7位で西武に指名され入団した。主に二塁、遊撃を守り、ルーキーイヤーの2016年には43試合に出場し、打率.194、11打点。イースタン・リーグではフレッシュオールスターにも出場した。今シーズン、1軍では8試合出場、打率.091と結果を出せなかったが、イースタン・リーグでは92試合に出場し、リーグ5位の.273、40打点、出塁率.381(リーグ2位)を記録した。2017年には「アジアプロ野球チャンピオンシップ」の台湾代表にも選出されている。
〇金子一輝内野手(2013年ドラフト4位)
日大藤沢高から2013年ドラフト4位で入団。高校時代は桐光学園・松井裕樹(現楽天)から二塁打を放ったこともある。今年、イースタンでは打率.257、29打点、16盗塁。1軍では6試合で16打数5安打の打率.357。5月22日のソフトバンク戦では、プロ入り初本塁打も放った。フレッシュオールスターでも「2番・二塁」でスタメン出場。来シーズンで6年目、そろそろ勝負をかけたいところだ。
〇山田遥楓内野手(2014年ドラフト5位)
佐賀工高では3年夏の県予選で佐賀北に敗れ甲子園出場ならず。2017年にイースタン・リーグで6本塁打を放ち、今シーズンは打率.264、8本塁打、34打点とパンチ力を見せて1軍にも昇格。1軍では14試合で打率.059、2打点ながら9月19日の日本ハム戦でプロ入り初本塁打をマークした。右耳の難聴というハンディを抱えながら順調に成長しており、将来を嘱望されている。