釧路湖陵、部内独自の小テストで学力向上…21世紀枠候補9校の推薦理由は?
北海道大会は61年ぶりにベスト4に進出
日本高野連は14日、来春の第91回選抜高等学校野球大会の21世紀枠の候補校9校を発表した。21世紀枠は練習環境、地域貢献などを選考条件に加えられる。ここでは各9地区から推薦された9校の推薦理由を紹介していく。まずは北海道地区の釧路湖陵高校。(主催者発表文より一部抜粋)。
創立106年の歴史と伝統がある北海道東部屈指の進学校で、卒業生は2万8千名を超える。地域社会はもとより、世界的にも活躍する優秀な人材を輩出してきており、7時間授業、土曜日授業などを行って学力向上を図り、毎年100名を超える現役国公立大学合格者を出し、難関大学や医学部医学科へ進学する生徒も多数いる。このような状況の中で、野球部は「主体性・自主性・人間力」を重視し、自ら考えて活動していく力と自律野球という方針のもと、年間を通じて、高いレベルで文武両道を実践している。
秋季北海道大会は61年ぶりのベスト4。9月6日に発生した北海道胆振東部地震による大規模停電の影響で、思うような練習ができない中、日々培ってきた文武両道の精神と、「主体性・自主性・人間力」「自ら考える力」が原動力となった。
野球部内には11班の組織があり、選手間におけるミーティングを通じた部活動におけるアクティブラーニングの手法を用いて自主性・主体性を育み、プレーの繋げるとともに人間力向上を目指している。特に選手間で定期考査や模擬試験に向けた取り組みを分析し、独自の小テストなどを作成して野球部員全員の学力向上を育んでいることは、特筆すべき点である。
部員が書く野球日誌は保護者とも共有。保護者は週に一度コメントを記載する。そうして、部員、顧問、保護者が三位一体となって部活動を通じた教育を行っている。
ベスト4の実力はもちろん、北海道大会が行われる札幌までは車で約6時間。練習試合など行うことにも苦労する立地、野球人口の減少が続くなか、釧根(せんこん)地区の公立校では平成2年選手権の中標津、釧路市内に限れば、昭和54年選手権釧路工業を最後に甲子園から遠ざかっており、出場となれば地域の希望の光になれる存在であること、進学校として野球以外にも積極的に取り組んでいることなどが総合的に判断され、北海道地区の選考会で全員一致で候補校に推薦された。