鷹・千賀、改めてポスティングでのメジャー挑戦を要望「生意気なことを…」

契約更改に臨んだソフトバンク・千賀滉大【写真:藤浦一都】
契約更改に臨んだソフトバンク・千賀滉大【写真:藤浦一都】

契約更改は3500万円増の1億6000万円プラス出来高払いでサイン

 ソフトバンクの千賀滉大投手が28日、ヤフオクドームの球団事務所で契約更改交渉を行い、3500万円アップの年俸1億6000円プラス出来高払いでサインした。交渉の席で昨オフに続いて球団側とポスティングシステムによるメジャー移籍についても話し合ったことを明かし、1月にも再度話し合いの場を設けることとなったという(金額は推定)。

 今季の開幕投手を務めた千賀は、右肘や前腕部の張りなどで、たびたびローテを外れながらも、22試合に登板してチーム最多タイの13勝(7敗)。3年連続の2桁勝利を達成した。クライマックスシリーズでも中4日で登板して白星を挙げた。それでも、およそ1時間に及ぶ交渉の末に、3500万円増で判を押した千賀に笑顔はなく「来年仕切り直して頑張ろうと思います」と語った。

「球団とは、僕だけじゃなくて他の選手を含めた査定の話をしました。リーグ2位というのはあるけど、個人の数字をどうとらえているのかということです」とし「僕自身も満足する数字ではないし、3年連続2桁勝利といっても、先発の役割はイニング数だと思うので、今年は1試合1試合でイニングを投げ切れていないですから」と、契約を更改した。

 さらに、球団にはポスティングでのメジャー挑戦について改めて要望。「別にポスティングの話をする場所を設けてほしいとお願いしました。球団のポスティングを認めていない理由も改めて聞いたし、その理由も分かります」としながら「育成の時から上を目指してやってきた。1軍で投げて、日本一になって、日の丸も背負った。(メジャーは)その次の大きな目標だし、野球人としてアスリートとして、になる。ここ数年の成績は中途半端だし、もっともっと頑張らないと今のままではダメ。生意気なことを言っているのはわかりますが、こうして周りに自分の気持ちを発信することで自分にプレッシャーをかけることもいいことだと思います」と大舞台への強い思いを語った。

「最短で5年」と海外FA取得までの道のりは理解しつつ「やっぱり少しでも若い方がいい」と夢を追い続けるために、1月に入って球団側と改めて話し合う予定だ。このオフには渡米してダルビッシュと初めて面会。「すごい勉強にしかならなかった」と独特の表現で受けた刺激の大きさを口にした。「すごい頭のいい方。何事も野球に置き換えている。印象に残っている言葉?印象だらけですよ」と話すほど心酔した。

「ケガしても『もう一度トップになる』と言われていた。僕もこっちでそうなれるようにしないと。今は日本のトップといえば菅野さんでしょうけど、『千賀も良くなってきた』と言われるようになりたい」と語った。また、来季から1奪三振ごとに1万円をオレンジリボン活動(認定NPO法人児童虐待防止全国ネットワーク)に寄付する。この成績連動型の寄付活動は千賀本人にとっても「モチベーションになる」と話していた。

(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)

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