菊池雄星、球団選択の決め手は「初期の起用法」と地元紙 7年契約になびかず

マリナーズ・菊池雄星【写真:AP】
マリナーズ・菊池雄星【写真:AP】

最大7年の変則契約、「最も論理的な結果」は4年

 西武からポスティングされ、マリナーズと最大で7年1億900万ドル(約118億500万円)に達する変則契約を結んだ菊池雄星投手。契約は3年4300万ドル(約46億5700万円)を基本とし、4年目は選手と球団がそれぞれ選択権を持つ契約オプションがつくため、契約期間は3年、4年、7年のいずれかとなる。メジャー史上を見ても非常に稀な形式の契約だが、地元紙「シアトル・タイムズ」では特集を組んで契約を検証。その中で、7年契約を提示した球団もあったが「初期段階での起用法」が球団を選ぶ上で重視されたことが明らかにされている。

 マリナーズは今オフ、短期間でのチーム再建を目指して、年俸の高いベテラン選手をトレード放出し、若手有望株を集めた。ジェリー・ディポトGMが目指すのは、2020年に優勝争いができるチーム作り。2019年はチームを熟成させる期間に充てることを明言しているが、そのプランこそが菊池獲得に有利に働いたという。記事では、菊池や代理人を務めるスコット・ボラス氏が、メジャーへの適応期間を十分に確保できるような「初期段階での起用法」を重視していたことに言及。「マリナーズは、2020年と2021年を見据えながら、2019年はメジャーでかかる大きな負荷にゆっくりと適応させることができる」と指摘している。

 また、ボラス氏の話として、7年契約をオファーした球団もあったが、即戦力となることが求められていたと紹介。メジャーに適応する過程での負荷が少ないマリナーズのプランが魅力的だったとしている。

 もう1つ、マリナーズを選んだ理由は、球団にも菊池にも「双方にとって公平に思える契約」だったと分析。契約は球団と菊池、双方が選択権を持つ形で、3年、4年、7年の3パターンを選ぶことができる。記事では、そのうち3年で終了するパターンは再建が失敗した時で「ファンにとって最も好ましくない結果」、4年で終了するパターンは不確定な未来を考えると「最も論理的な結果」、そして最大7年となった場合は「最も好ましいシナリオ」で、チーム再建が成功し、菊池もローテの柱になったことを意味するとした。

 この「最もクリエイティブな契約」が成功するか否か。まずは今季、2019年に菊池がどこまでメジャー流に適応するかがカギになりそうだ。

(Full-Count編集部)

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