今秋ドラ1候補の星稜奥川、147キロ発進も「万全には程遠い」4球団スカウトが熱視線

小松との練習試合に登板した星稜・奥川恭伸【写真:沢井史】
小松との練習試合に登板した星稜・奥川恭伸【写真:沢井史】

小松と対外試合解禁後初の練習試合で3回4K2安打1失点、横浜及川が151キロに「自分はまだまだです」

 第91回選抜高校野球大会(23日から12日間、甲子園)に出場する星稜(石川)が9日、対外試合解禁後初の練習試合で小松(石川)と対戦し、今秋ドラフト上位候補に挙がるエースの奥川恭伸(2年)が先発。3回で4三振を奪い、2安打1失点(自責点0)と好投した。エースは「(ベストの状態の)半分くらいの出来。全体的にはまあまあの内容だったと思います」と振り返った。試合は継投した寺沢孝多、寺西成騎が失点を重ね3-8で敗れた。

 先週から行われている学期末テストで練習をほとんどできていないこともあり、初回から守備のミスが続いた。奥川自身も「投げる方、打つ方で自分のミスが続いたので、(やっと対外試合ができるという)ワクワク感が徐々になくなっていきました」とちょっぴり悔しそうな表情も見せた。

 初回、先頭の谷本乃一に中前打を浴びると、味方のエラーで1点を許した。この日投じたのはストレートとチェンジアップのみ。コントロールにややバラつきが散見されたが、それでも最小失点にまとめた。奥川は「ストレートのかかりが良くなくて、納得のいくボールが投げられませんでした。バッターを立たせてのピッチングは久しぶりなので、見え方など、まだまだ万全な頃の感覚には程遠いです」と渋い顔だった。

 この日は4球団のNPBスカウトがネット裏から見守り、ロッテスカウトのスピードガンで147キロを計測。「そんなに出ていたんですか? この内容にしては出ている方なんですかね」と苦笑い。それでも、まだ練習試合初日だ。「ここからセンバツに向けて感覚を磨いていきたい」と本人は前向きだったが、グラウンドを去る前にセンバツに出場する横浜の及川雅貴が151キロ、創志学園・西が149キロをこの日の練習試合で計測したことを伝え聞いた。「自分はまだまだですね」。ライバルたちの奮闘を今後へのカンフル剤とする。

(沢井史 / Fumi Sawai)

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