田中将大は7回3失点の粘投も本拠地初黒星 QSは15試合連続に伸ばすも防御率はリーグ2位に後退
苦しい投球内容ながらしっかり試合を作った田中
ヤンキースの田中将大投手は本拠地でのオリオールズ戦に登板し、7回6安打3失点で2敗目(11勝)を喫した。ゲームを作り、先発としての役割は果たしたものの、この日は味方打線が沈黙。田中の登板試合では初めて無得点と援護がなく、5月20日の敵地でのカブス戦以来となる2敗目。ルーキー右腕にとってはヤンキースタジアム初黒星となった。開幕から続けているクオリティースタート(QS、6回以上を自責3以内)は15試合連続に伸ばしたが、防御率は2・11となり、ア・リーグ2位に落ちた。
田中は初回、ニック・マーカキス、スティーブ・ピアースに連打を浴びて、いきなり無死1、2塁のピンチを迎える。しかし、アダム・ジョーンズをレフトフライに仕留めると、23本塁打のネルソン・クルーズ、昨年ホームラン王のクリス・デービスは連続空振り三振。速球系のボールと宝刀のスプリットが安定せず、23球を要したが、スライダーとチェンジアップを有効に使い、強力クリーンアップを抑え込んだ。
前回登板は6回1失点で11勝目を挙げた17日(日本時間18日)のブルージェイズ戦。ナイターでの一戦だった。この日はデーゲームのため、実質は「中3日半」での登板。厳しいスケジュールの中、序盤は普段と比べて球速が上がらない。
2回も丁寧な投球で2死を奪ったが、8番のジョナサン・スクープに甘く入ったスライダーを左翼席に運ばれてしまう。痛恨の先制ソロ。4月9日の前回対戦で3ランを打たれた下位打線の“伏兵”に、またしても一発を許した。
打線の援護がない中、田中は持ち味の修正能力を発揮し、我慢強く投球を続ける。4回は初めての三者凡退。5回には2死から四球で走者を出したが、ピアースをインコースのボールゾーンから入ってくるスライダーで見逃し三振。6回はジョーンズを左飛、クルーズを右飛、デービスを空振り三振でクリーンアップを三者凡退に仕留めた。
田中は徐々に球数を減らし、96球で7回もマウンドへ。しかし、無死からJ・J・ハーディに中前打、マニー・マチャドに右中間への二塁打を打たれ、2、3塁の大ピンチを迎える。ここからスクープのショートゴロの間に1失点。さらに、続くカレブ・ジョセフにセンターへの犠牲フライを打たれ、もう1点を失う。リードを3点に広げられ、球数が106球に達したため降板となった。ストライクは68球だった。
ヤンキースは田中の後を継いだリリーフ陣が打ち込まれ、さらに5点を追加されてしまう。打線も最後まで振るわず、0-8で完敗。田中に2敗目が付いた。
この日の投球内容は7回6安打3失点で6奪三振1四球。試合前に1点台(1・99)だった防御率は2・11となり、アスレチックスのスコット・カズミアー(2・08)にリーグトップの座を明け渡した。ただ、開幕からメジャーで1人だけ続けているQSは達成。15試合連続となり、1973年にスティーブ・ロジャース(エクスポズ)が記録したデビュー年のメジャー記録(16試合連続)に、ついにあと1試合に迫った。
【了】
フルカウント編集部●文 text by Full-Count