9打席無安打の大谷翔平、“珍死球”を糧に復調へ「1打席1打席修正しながら」

第3打席に死球を受け出塁したエンゼルス・大谷翔平【写真:Getty Images】
第3打席に死球を受け出塁したエンゼルス・大谷翔平【写真:Getty Images】

日本ハム時代は1170打席で4死球、日本ハム栗山監督は死球回避術に目を細めていた

■タイガース 10-3 エンゼルス(日本時間9日・デトロイト)

 エンゼルスの大谷翔平投手が8日(日本時間9日)、敵地・タイガース戦で「3番・指名打者」で2戦連続フル出場。6回の第3打席で昨年10月1日にトミー・ジョン手術を受けた右肘に死球を受けた。復帰2戦目は見逃し三振、三ゴロ、空振り三振で3打数無安打1死球。9打席連続無安打となった。

 6回2死。大谷は左腕・ボイドの141.3キロのツーシームを右肘のエルボーガード付近に受けた。昨年10月にトミー・ジョン手術を受けた患部への“直撃”。痛がるそぶりも見せずに一塁ベースへ歩き出した。

「かすった感じだったので、どこに当たったか分からなかったです。(次の打席への影響は)なかったですね。痛くもなかったですし」

 一塁ベース上では12年3冠王のカブレラと英語で談笑。周囲を安心させたが、周りを凍りつかせる一幕だった。

 昨季は367打席で2死球だったが、今季は8打席目で今季初死球。日本ハム時代の5年間は1170打席でわずか4死球と本来は極端に死球が少ないタイプだ。右投げ左打ちの二刀流にとって、一番怖いのは利き腕、右手への死球。だが、かつて日本ハム栗山監督は「内角の厳しい球が来た時に、翔平はイチローみたいに背中を向けて手が後ろに残る。二刀流をやらせる要素の1つ」と故障を防ぐ技術に目を細めていた。花巻東高では柔らかい球を使って死球を受ける練習もしていたという。

 マイナーでの実戦を行わずに“ぶっつけメジャー”。左腕の球を打とうと反応しての死球は、まだ打撃が本調子に届いてないということだろう。試合後、打撃の状態をこう分析した。

「タイミングは徐々に良くなってます。ただファウルになっているものが多い。自分の中で捉えたと思ってもそうなる部分が多い。早く一本打ちたい気持ちをどう抑えながら、やることをしっかりやれれば」

「いい反応していけているんですけど、もうちょっとのところですれ違っているのかなと。打ちたい気持ちがあるのは悪いことではないが、それを持ちながら打席の中でやれることができているか。その中でファウルになっている打席は感覚のズレがある。1打席1打席修正しながらいければ」

 先発左腕のボイドには初回1死に3球三振、3回2死二、三塁では遊ゴロに打ち取られた。8回2死では剛腕ヒメネスの150キロ超の直球で押されて空振り三振に倒れ、「久々に98マイル(157.7キロ)を見ましたし、その球にしっかり反応していけるかが大事」と前を向いた。

 昨季は開幕直前に右足を上げてタイミングを取っていたが、ノーステップ気味に改良。開幕直後に3戦連続本塁打を放つなど鮮烈デビューを飾った。復帰初戦の7日には自身の打撃について、こう話していた。

「(昨季は)かなり高い確率で打てそうだと思って打席に立っていた。そういう感覚が出てくれば、(昨季と)同じような数字が残るかもしれないし、それ以上の感じは残るんじゃないかなと思います。どれぐらいかかるか分からない。毎シーズンいきなり来たりとかする。それを探るための練習をしたりするので」

 大谷にとっては珍しい死球。どう今後の糧とするのか注目だ。

(Full-Count編集部)

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