飛行機事故死のハラデー氏長男がドラフト指名 “32”巡目指名に込められた意味

現役時代フィリーズやブルージェイズで活躍したロイ・ハラデー氏【写真:Getty Images】
現役時代フィリーズやブルージェイズで活躍したロイ・ハラデー氏【写真:Getty Images】

2度のサイ・ヤング賞に輝くなどMLBを代表する投手だったロイ・ハラデー

 6月3日から5日(日本時間4日から6日)にかけて行われたMLBのドラフト会議。オリオールズが全体1位でオレゴン州立大のアドリー・ラッチマン捕手を、ロイヤルズが全体2位でボビー・ウィットJr.内野手を指名するなど、40巡目まで1200人の選手が指名を受けた。

 その1200回に及ぶ指名の中でブルージェイズが“感動的”な指名を行い、米で話題となっている。MLB公式サイトは「ブルージェイズが象徴的な数字である“32”巡目でハラデーの息子を指名する」として、この特別な指名に注目した。

 ブルージェイズが32巡目(全体957位)で指名したのは、カルバリー・クリスチャン高校のブレイデン・ハラデー投手。ブルージェイズ時代の2003年、フィリーズ時代の2010年と2度のサイ・ヤング賞と最多勝に輝くなど名投手で、2017年に飛行機事故により命を落としたロイ・ハラデー投手の長男だった。

 指名を受けたブレイデンは、ペンシルベニア州立大に進学することが決まっている。その中でも、父のロイ・ハラデーが1995年のドラフト指名から2009年まで在籍したブルージェイズが、長男をドラフト下位で指名。MLB公式は、この意味について「この若い投手と家族に対しての意思表示、そしてトロントにおけるハラデーのレガシーを何らかの形で継続するため」と指摘した。

 MLB公式サイトはブルージェイズのフロント陣のコメントも紹介。ロス・アトキンスGMは「我々は彼の家族のことを間違いなくよく知っている。そして彼のこともよくわかっている。彼らと(多くの)時を共にしてきた。彼は大学に行く。そして、我々は彼を指名できたことを嬉しく思う」と語り、アマチュアスカウト責任者のスティーブ・サンダース氏も「これは球団として、彼らがブルージェイズの一員として認められていることを彼らに示すために、我々が以前から検討していたことだ。彼が大学に進学してプレーすることは、我々にとって間違いなく喜ばしいことだ」と語っている。

 このブルージェイズの“粋”な指名に、ブレイデン・ハラデーも自身のツイッターで感謝の思いを綴った。「ブルージェイズ、今日32巡目で私を指名してくれて、ありがとうございます! 凄く光栄なことです! 大学でのプレーを楽しみにしていますし、選手としても一人の人間としても成長することを心待ちにしています。私のことを支えてくれた全ての人たちに感謝します!」。ブレイデンが指名されたのは“32”巡目。父ロイ・ハラデーがブルージェイズ時代に背負い、永久欠番となっている背番号は「32」だった。

(Full-Count編集部)

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