【林昌範の目】交流戦で大きい捕手の存在 DeNA伊藤光、巨人炭谷はパ打者の特徴を熟知
過去14年はパ・リーグが13度勝ち越しも…投手をリードする捕手が鍵握る?
林昌範です。交流戦が6月4日から始まりましたね。交流戦は2005年から始まり、今年が15年目になります。過去14年のセパの対戦成績を見ると、パ・リーグが13度勝ち越して、セ・リーグの勝ち越しは1度のみ。私は現役時代に両リーグでプレー経験がありますが、こんなにパ・リーグが圧倒しているのかと驚きました。ただ、今年はセ・リーグも十分チャンスがあると思います。カギを握るのは先発投手です。
今年のセ・リーグは交流戦でパ・リーグのデータがない「初物」の投手たちが存在感を示しています。球に力がある投手が多い。初対戦の場合は投手の球の軌道を打者が体感していないため、投手有利と言われています。例年はパ・リーグの強力打線が目立つ結果になっていますが、今年は簡単に打ち崩せないのではないでしょうか。
すでに1度目の対戦で打たれてしまった投手もいますが、セ・リーグのエース格も意地があると思います。腰痛から復帰した巨人・菅野智之投手、DeNA・今永昇太投手、広島・大瀬良大地投手、阪神・メッセンジャー投手……、パ・リーグで長年プレーしていた阪神・西勇輝投手、ヤクルト・高梨裕稔投手の投球も要注目です。
個人的には投手をリードする捕手の存在も大きいと感じます。パ・リーグはよく振ってくる打者が多いのが特徴です。下位打線でも甘く入れば一発長打の選手が各球団にそろっていますが、DeNA・伊藤光選手、巨人・炭谷銀仁朗選手はパ・リーグの打者の特徴を熟知しています。セ・リーグ各球団のバッテリーが、西武・秋山翔吾選手、山川穂高選手、楽天・浅村栄斗選手、オリックスの吉田正尚選手らパ・リーグの強打者をどう抑えるかが勝敗のポイントになると思います。(元巨人、日本ハム、DeNA投手)
文/構成 インプレッション・平尾類