今年の楽天、なぜ強い? 専門家が分析、この先も「簡単に落ちない」理由とは?
昨季は最下位も…野口寿浩氏が分析、今年の楽天は「ここぞというところを見逃さない」
楽天が好調だ。交流戦を10勝8敗で終え、1日時点でリーグ2位。ソフトバンクと首位争いを繰り広げている。
昨季は58勝82敗3分の勝率.414でリーグ最下位に沈んだ楽天。6月には梨田昌孝前監督が成績不振で辞任。その後、平石洋介1軍ヘッドコーチ兼打撃コーチ(当時)が監督代行として指揮した。そして、シーズン終了後に平石監督が正式誕生。39歳の若き指揮官のもと、チームは今季も好調を維持している。
現役時代にヤクルト、日本ハム、阪神、横浜の4球団でプレーし、昨季までヤクルトのバッテリーコーチを務めた野球解説者の野口寿浩氏は、強さの理由について「ここぞというところを見逃さない」と分析。さらに、チームが好循環となっていることから「余程のことがないかぎり落ちてこない」と予想する。
なぜこんなに昨季から成績が変わったのか。野口氏は、新加入で主軸を担う浅村栄斗内野手、ジャバリ・ブラッシュ外野手の存在は確かに大きいと指摘。「いろんな人から、浅村がプレーだけじゃなくて精神的な支柱にもなってるという話も聞く」とも明かす。ただ、それだけでは片付けられない部分もあるという。
「どの選手もここぞというところを見逃さない。野手陣が特にそうですね。ここで1本出れば、というところでしっかり出る」
野口氏が例として挙げたのが、20日の阪神戦(甲子園)だ。2点を追う5回に相手の2つのエラーで無死一、二塁とチャンスを掴むと、太田が中前打で満塁に。ピッチャーの石橋は見逃し三振に倒れたものの、茂木が同点の2点タイムリーを放った。そして、7回に島内の決勝打が飛び出し、3-2で接戦をモノにしている。
「エラー、エラーでもらったチャンス。ここで点を取ったら相手チームはダメージが大きいだろうな、というところでしっかり取っている。そういう印象です。勝っているチーム、強いチームというのは、そういうもの。バカバカ点を取らなくても、ここというポイントを抑えて、そこでしっかり得点できている。先発ピッチャーが初回、2回に点を取られても、決して諦めることなく1点ずつコツコツ返していって、結局は追いついてひっくり返す。そういう粘りもあります」
今年の楽天は強いチームの戦い方をできているというのだ。野口氏はさらに、投手力の高さも好調の要因として挙げる。
「基本的にピッチャー陣もいいですよね。先発陣が頑張っている。開幕直後は岸も則本もいなかったわけで、まだ1人(則本が)帰ってきていませんが、その中でも代わりに入った選手が、ここがチャンスと思って、目の色を変えて頑張ったおかげ。石橋あたりもそうですね。そういう選手たちがいいボール投げる」