菊池雄星、復活5勝目へ同僚からヒント「真ん中に見せて曲げれば打者は振る」

T-モバイル・パークでブルペン入りしたマリナーズ・菊池雄星【写真:木崎英夫】
T-モバイル・パークでブルペン入りしたマリナーズ・菊池雄星【写真:木崎英夫】

今季5勝目をかけて27日本拠地タイガース戦で先発する

 マリナーズの菊池雄星投手が23日(日本時間24日)、本拠地シアトルのT-モバイル・パークでブルペン入りし、変化球を交えて45球を投げた。この日は、同僚ウェイド・ルブラン(元西武)と先発ローテの柱マルコ・ゴンザレスの両左腕から発想の転換につながる“アドバイス”を受け、貴重な30分をブルペンで過ごした。

 その収穫を菊池は言葉にした。

「真ん中に見せて、いかに(ボールを)散らすかというところを、もう少し意識してやればピッチングが変わるんじゃないかなっていうことを、マルコとウェイドに言ってもらった。気持ち的にもすごく楽になりました」

 ここまでの登板21試合では、日本時代からのゾーンの「四隅を突く」という意識が強く、それが逆に制球を乱す一因にもなっていた。その呪縛を解くことが今後のステップアップに繋がるという意識付けを同僚の2人とポール・デービス投手コーチが進言。菊池はこの日の取り組みをこう詳述した。

「前後の球をどう生かすかということを練習からやっていこうと。真っすぐを投げたら次はスライダーでいく。実戦を想定してこれを3球でやっていく。これまではストレート5球続けてカーブ3球続けてという感じのピッチングが多かった」

 この取り組みには打者心理を逆手に取る投球術に磨きをかけるもう1つの側面がある。それをルブランが説いたという。

「バッターは真ん中を待っているんだという話をされて。要するに、真ん中に見せて曲げれば、打者は振るだろうと。どの球種も最初に真っすぐに見せるかどうか。振りたいと思わせるかどうかというところが大事だということ。だから、四隅を突こうとして、そこに投げるのではなくて真ん中に見せて途中から少しピュッピュッと曲げてやれば、そんなきっちり狙わなくてもいいと。そういう発想もなかなかしたことなかったんで。勉強になりました」

 確かに、ゾーンぎりぎりを狙って微妙に手元が狂えば、確実にボールとなる。そこに神経質になるのではなく、ゾーンの甘い所から内、外、高め、低めという意識で腕を振れば、本来狙いたいコースへとボールがより制球できるという発想だ。

 ここ数試合で「ボール自体は悪くない」を繰り返していた左腕は、今後に向けたヒントを得た様子で、引き締まった表情でこう結んだ。

「簡単なことでは当然ないですけど、やはりアメリカに来てピッチングスタイルということも少しずつ学んで、変えていくところは変えていかなきゃいけないと思います、配球も含めてね。その中の1つだと思っていますけどね」

 中4日で迎える次回26日(同27日)のタイガース戦で踏む本拠地のマウンドで、左腕は新たな意識で打者に向かう。

(木崎英夫 / Hideo Kizaki)

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