大谷獲得失敗でレッズの交渉術は向上? 本部長「説得する自信につながった」
レッズは当時、大谷獲得に向けたセールストークを準備、失敗も功を奏しチーム強化へ
エンゼルスの大谷翔平投手はメジャー2年目の今季、ここまで76試合に出場し打率.286、15本塁打43打点、9盗塁の活躍を見せている。17年オフにポスティングシステム(入札制度)を利用した際には争奪戦となったが、レッズもその中の1チームだった。交渉の席に着くことはなかったが米メディアは「オオタニがレッズのセールストークを向上させた」と、大谷がレッズの“交渉術”を成長させたことを伝えている。
「どのようにショウヘイ・オオタニがレッズのセールストークを向上させたか」
こう見出しでレッズが得た“大谷効果”を伝えたのは米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」だった。記事では17年オフにレッズが大谷獲得に乗り出したが結果的には交渉の席にたどり着けなかったことを言及し「だからといって、何も得なかったわけではない」と“大谷効果”があったことを伝えている。
ディック・ウィリアムズ編成本部長は交渉の席につけた場合に備え、レッズとシンシナティをアピールするため、大谷に向けたセールストークを準備していたという。魅力を伝えるため12分間のビデオと分厚い資料を作成。結果的に準備していた資料などを使うことはなかったが、これによりレッズの“交渉術”は大幅にアップしたようだ。
記事の中ではウィリアムズ編成本部長が「球団のあらゆる部分から意見を得ることは素晴らしい経験だった」と語り、大谷獲得に向けた準備が「我々にはチャンスがないと思われていた相手にアピールする必要があった。我々にとってのカタルシスとなり、素晴らしい人材を見つけ、来るべきだと説得する自信につながった」と思わぬ副産物が生まれたことを明かしている。
大谷獲得は不発に終わったが、これまでにデレク・ジョンソン投手コーチ、ターナー・ウォード打撃コーチが就任。さらにFA市場の中でもウィリアムズ編成本部長は「誰が空いているのか静観せず、欲しい人材にアプローチし、積極的に売り込んだ。(ホセ)イグレシアス、(デレク)ディートリックにもしたし、トレードでも、ソニー(グレイ)と契約延長した時もそうだった」と、効果があったことを口にしていた。
(Full-Count編集部)