甲子園決勝にまつわる4つのデータ 深紅の大優勝旗を手にするのは星稜か、履正社か
1948年の学制改革で「高校野球」となり、72回目の決勝戦
夏の甲子園は、今日22日、阪神甲子園球場で決勝戦が行われる。1948年の学制改革によって「中等学校野球」が「高校野球」になり、今年で72回目の決勝戦となる。その決勝にまつわるデータを見ていこう。
○先行、後攻どちらが強い?
決勝戦は、これまで後攻チームが39勝32敗。一般的にも野球は後攻の方がやや有利とされるが、それを裏付けている。また、後攻にしかできないサヨナラ勝ちは以下の6回となる。
1973年 広島商
1975年 習志野
1976年 桜美林 延長11回
1977年 東洋大姫路 延長10回
1978年 PL学園
1985年 PL学園
○決勝の引き分けは2試合
決勝戦での引き分けは
1969年 松山商0-0三沢(延長18回)
2006年 駒大苫小牧1-1早稲田実(延長15回)
の2回。再試合は
1969年 松山商4-2三沢
2006年 駒大苫小牧3-4早稲田実
という結果になっている。引き分け再試合で奮闘した三沢の太田幸司、早稲田実の斎藤佑樹は、ともにアイドル的な人気となった。2018年のセンバツからタイブレーク制が導入されたが、決勝では採用されない。
○優勝チームの平均スコアは5-2
優勝チームの得失点は395得点152失点(引き分け試合での得失点を含む)。1試合の平均では5.41得点2.08失点。5対2が平均スコアとなる。対照的に、その得失点差が大きかった試合は以下のようになる。
17点差 2008年 大阪桐蔭17-0常葉菊川
13点差 1999年 岡山理大付1-14桐生第一
12点差 2010年 東海大相模1-13興南
11点差 2011年 光星学院0-11日大三
11点差 2018年 金足農2-13大阪桐蔭
大量得点差の試合はここ20年以内に集中的に出ている。近年、筋トレなどでパワーアップする高校が増えて、打撃力が向上。それによって打撃戦が増え、ワンサイドゲームが増加している。
○都道府県別では大阪府が最多勝
都道府県別の決勝勝利数5傑
・大阪府 12勝4敗(八尾、浪商、明星、興国、PL学園、大阪桐蔭)
・神奈川県 7勝3敗(湘南、法政二、東海大相模、桐蔭学園、横浜、横浜商)
・東京都 6勝1敗1分(桜美林、早稲田実、帝京、日大三)
・愛媛県 5勝4敗1分(松山東、松山商、西条、新居浜商、済美)
・兵庫県 4勝0敗(芦屋、東洋大姫路、報徳学園、育英)
兵庫県は4回決勝に進出して全勝、対照的に静岡県(静岡、静岡商、常葉菊川)は、5回進出していずれも敗退している。
星稜が決勝に進んだ石川県は、1995年に星稜が決勝戦に進出しているが、このときは帝京に1-3で敗れている。北陸勢(石川県、富山県、福井県)での決勝進出は石川県の2例だけ。
一方で履正社は夏の甲子園では初の決勝進出。春は2014年、2017年に決勝に進出しているが2014年は龍谷大平安に2-6、2017年は大阪桐蔭に3-8で敗れている。
大阪府と石川県の決勝での対戦は初めて。いずれも甲子園の初優勝をかけての戦いとなる。
(広尾晃 / Koh Hiroo)