打者・大谷翔平の“進化”とはー 本塁打伸び悩むも好球必打、コンタクト力アップ
今季374打席で昨季367打席を超えたばかり 大谷の打撃を昨季と比べると…
日米初めて打者一本のシーズンに臨んでいるエンゼルス・大谷翔平投手は24日の敵地・アストロズ戦ではメジャー自身初のシーズン100安打を達成した。今季374打席は昨季の367打席を超え、チームの主軸として奮闘している。
昨年10月に右肘のトミー・ジョン手術を受けた影響で開幕は出遅れ、5月9日の敵地・タイガース戦で復帰。6月13日の敵地レイズ戦で日本人初のサイクル安打を達成し、月間打率.340、9本塁打、22打点をマーク。しかし、7月は数字を落とし、打率.277、3本塁打、8打点。8月は打率.316と持ち直したものの、1本塁打、11打点と持ち味の長打力が鳴りを潜めている。
昨季とほぼ同じ打席数で、今季は打率.298、16本塁打、長打率.512。昨季は打率.285、22本塁打、長打率.564だった。長打力が魅力だった大谷が今ひとつ乗り切れないように見えるのは、どこにあるのか。MLB公式のデータサイト「ベースボール・サバント」によると、今季の打球角度は平均6度。昨季の12.3度、メジャー全体の平均12.7度からも下回っている。打球速度92.7マイル(MLB全体6位)で昨季92.6マイル(同11位)と大きく変わらないだけに、打球に角度さえがつけば……。「フライボール革命」の影響でメジャー全体で死球覚悟の内角攻めも目立っている。各球団の厳しい対策に“苦戦”しているようだ。
しかし、“進化”を見せるところもある。三振率27.8%から23.8%に。米データサイト「ファングラフス」によると、ボールゾーンスイング率「O-Swing%」は昨季32.3%から30.8%に。ストライクゾーンスイング率「Z-Swing%」は昨季65.3%から72.4%にアップした。さらに、スイングストライク率「SwStr%」は昨季12.9%から10.6%に改善。つまり好球必打、コンタクト力がアップした打撃を見せている。
昨年9月は打率.310、7本塁打、18打点。最終的に打率.285、22本塁打、61打点まで伸ばして新人王獲得につなげた。本塁打こそ出ていないが、打者・大谷がどこまで成績を伸ばすか注目だ。
(Full-Count編集部)