エルドレッド氏の引退セレモニーにナイン感慨 鈴木「勝手に涙が」松山「カンちゃんのために」
エルドレッド氏は感謝「世界一のファンの前でプレーできたことはかけがえのない財産」
■ヤクルト 8-7 広島(15日・マツダスタジアム)
昨年まで広島でプレーしたブラッド・エルドレッド氏の引退セレモニーが15日、ヤクルト戦後に行われた。セレモニーはエルドレッド氏の広島での7年間がVTRで流れ、挨拶を行なった。2人の通訳への感謝から始まった挨拶は、チームメイトや球団関係者、裏方、家族、そして広島のファンに対して感謝の言葉を並べた。
エルドレッド氏は「世界一のファンの前でプレーできたことはかけがえのない財産」と試合に敗れても席を立たなかったファンに頭を下げた。家族に対しては「野球を教えてくれた両親、一緒に世界中を旅して夢を追いかけてくれた妻の子供たちのおかげ」、歴代の監督やコーチには「いつも勇気付けてくれて、モチベーションを与えてくれた」、「兄弟」と称したチームメイトには「チームの輪の中に入れてくれたみんなと一緒に3連覇できたのは誇り」と、それぞれへの思いをつづった。
挨拶の後には鈴木誠也外野手から花束を受け取った。エルドレッド氏と対面して涙を見せた鈴木は「そりゃ、感動しますよ」と報道陣の問いに答え、「渡す前から泣いていた。いろいろありすぎて、勝手に涙が出てきた」と照れくさそうに話した。
試合では、松山竜平外野手が打席に入る際の登場曲で現役時代のエルドレッド氏の曲を使った。2安打2打点と活躍し、「いい姿を見せられた」という松山は「カンちゃん(ビッグカントリーの愛称から)のために打つと話していた。負けたけど最後まで諦めずに戦えたのも、カンちゃんの力があったのかもしれない」と感慨深そうに話した。
最後に場内一周でファンに別れを告げたエルドレッド氏は、マウンドで関係者と記念撮影をした後、選手全員から胴上げされた。チーム歴代外国人最長の在籍年数を更新し記録にも記憶にも残る助っ人は、挨拶の最後に「アリガトウゴザイマス」と日本語で感謝の気持ちを表した。
(大久保泰伸 / Yasunobu Okubo)