「ちょっとお金が増えました」 西武中村、成績も年俸も“V字回復”の3.5億円更改
今季は自身4度目の打点王(123打点)を獲得、4年ぶり30発も
西武の中村剛也内野手が2日、所沢市内の球団事務所で契約更改交渉を行い9000万アップの年俸3億5000万円でサインした(金額は推定)。
「ちょっとお金が増えました」
最大限の評価に、“中村節”もなめらかだった。昨オフに海外FA権を行使して西武に残留を決め、18年目のシーズンを迎えた中村。7月にはプロ野球史上20人目となる400号本塁打を達成し、4年ぶりに本塁打数を30に乗せた。さらに、勝負強い打撃で打線をけん引。123打点を叩き出し、自身4度目の打点王に輝いた。
4番を務めていた山川の状態が上がらず、約2年ぶりに中村が4番に返り咲いたのは8月11日のロッテ戦(ZOZOマリン)だった。そこからチームは勢いに乗り、最大8.5ゲーム差あった首位・ソフトバンクとの差を一気に詰めて逆転優勝を決めた。
中村は「僕が4番を打ったからではなく、たまたまチームの投打が噛みあっただけ」と謙遜し、「4番へのこだわりはもうとっくに捨てている。言われたところで結果を残すだけです」と清々しく言い切った。それでも、4番として出場した38試合で打率.304、10本塁打を放ち42打点を稼ぎ出すなどチームの2連覇に大きく貢献。圧倒的な破壊力を誇る打線の核として十分すぎる働きを見せた。
今季4年ぶりに30本塁打を達成した中村は、過去6度獲得した本塁打王への意識を問われると「どうですかね。今年はホームランに対するこだわりが薄れていた部分がある。(本塁打王を狙うかどうかは)来年になってみないとわからないです」とあっけらかん。
400号本塁打についても「『ああ、打ったんだな』というくらい。特別な感情はないですね」とマイペースを貫いた。しかし、契約更改交渉に同席した渡辺久信球団本部ゼネラルマネージャーは「30本じゃ納得していないでしょう」とニヤリ。来季19年目を迎える中村は「3連覇を目指してやりたい」と言葉に力を込めた。西武黄金期復活へ、来季も美しいアーチを描き続ける。
(安藤かなみ / Kanami Ando)