球団の垣根を越えた被災地訪問 愛する北海道のため、ハム戦士たちが見た現実
日本ハム、巨人、中日の3球団から選手、スタッフが昨年に続いて訪問
日本ハムの杉浦稔大投手、玉井大翔投手、中日の谷元圭介投手、大野奨太捕手、巨人の鍵谷陽平投手と木佐貫洋2軍投手コーチ、元投手で広報部の矢貫俊之さんが、2018年の北海道胆振東部地震で大きな被害を受けた安平町や厚真町などの被災地を訪問した。子供たちはサプライズに驚きを隠せなかった。
まず、訪問した安平町立追分小学校と厚真町立厚真中央小学校では体育館で全校生徒との交流会や給食の時間を一緒に過ごした。その後、「あつまスタードーム」で野球教室が行われ、5チーム約90人の子どもたちが参加。子供たちにとっての夢の時間は過ぎていった。
バス移動の際に、土砂崩れの被害が大きかった場所も回った。役場の方から現状の説明も受けた。選手とともに行動した巨人の矢貫広報は2014年の日本ハム投手時代、厚真応援大使にも任命されるなど、被災地との関わりは大きかったため、昨年の震災直後に球団関係なく「何かできないか……」と考えた。
今回、参加した選手以外にも日本ハム・吉川光夫投手、巨人・陽岱鋼外野手、石川慎吾外野手ら、現ファイターズや元日ハム戦士たちからも、強い要望、相談があった。
「この復興支援活動は、以前在籍していたファイターズを先頭に何かできることはないか、と考えました。なんでもいいから被災地の人達のために……という気持ちで球団の垣根を越えて行っています。今回は実際に土砂崩れの被害が大きかった地区をまわりました。想像以上の被害に言葉を失いました」
まだ多く残る震災の爪あとを目の当たりにしたが、それ以上に矢貫さんの心に深く刻まれたのは子供たちの元気な姿だったという。「昨年も、今年も被災地の子ども達と触れ合うと、逆に『ありがとう』という言葉が出てしまいました。今回も、逆に勇気をいただいてしまいました」。巨人・鍵谷も「子どもたちから歌のプレゼントをもらったり、元気をいっぱいもらった。自分に出来ることを続けていきたい」と話した。
ユニホーム姿の選手たちに子供たちは喜び、あっという間の時間だった。矢貫さんは「まだまだ、本来の姿を取り戻していないのが現状ですが、1日でも早い復興を祈っておりますし、またこのような機会を設けていただいた関係者の皆様に感謝しております」とこの地からたくさんの声援を受けたプレーヤーを代表して、これからも力になっていくことを約束した。