イチロー“神の手生還”が再脚光 MLB公式「最もクールなスライディング」に選定
2012年10月8日、オリオールズとの地区シリーズで神走塁をみせた
昨年3月のアスレチックスとの日本開幕戦後に現役引退を表明し、マリナーズの会長付き特別補佐兼インストラクターを務めているイチロー氏。メジャー1年目2001年に史上2人目のMVP、新人王を同時受賞。04年にシーズン最多262安打を記録するなど輝かしいキャリアを積んできた。MLB公式サイトは「最もクールなスライディングをいくつか振り返る」として、過去の印象に残るスライディングを動画で紹介。その一つにイチロー氏がヤンキース時代に見せた“忍者生還”を取り上げている。
記事は「ボールが走者よりも先にベースに到達したら、走者はアウトだよね? そうとは限らない」と説明。「ボールが到達した後に多くのことが起こり得る。MLB史上最もクールなスライディングのいくつかを見てみよう」として、イチロー氏の走塁を伝えた。
2012年10月8日、オリオールズとのア・リーグ地区シリーズ第2戦で、イチロー氏が魅せた。1回2死一塁でカノ(現メッツ)が右翼線を破る二塁打。一塁走者のイチロー氏は本塁へ向かった。記事は「オリオールズの右翼コーナーから本塁へのリレーは、イチローをアウトにする十分な時間を残していたが、このベテランはマット・ウィータース(捕手)のタッチから逃れ、プレートを通過した後に急停止した」と描写。さらに「ウィータースがタッチしようと突っ込む中、イチローは左手を地面につき、ウィータースのミットを避けるように体を回転させ、もう片方の手で本塁をタッチした」と説明した。
タイミングは完全にアウトだったが、捕手のタッチを2度も華麗にかわして右手でベースに触れた。ヤンキースに先制点をもたらした好走塁は、各メディアで「神の手」「まるで忍者」と称賛された。あの興奮から7年以上の時が経ったが、メジャー史に残る“名走塁”と認識されているようだ。