岩隈、青木、イチローの去就に影響も レッドソックスの大型補強でストーブリーグが動き出す
複数の日本人選手の去就に影響を及ぼす可能性があるレッドソックスの補強策
今オフのストーブリーグがついに動き始めた。複数の米メディアは24日、レッドソックスがドジャースからフリーエージェント(FA)となったハンリー・ラミレス内野手、ジャイアンツからFAとなったパブロ・サンドバル内野手を一気に獲得したことを報じた。
例年、FA選手の去就は大物から決まっていく。野手では目玉と見られていた2人の大物のレッドソックス入団合意が、スタートの合図になると見ていいだろう。
いずれも5年契約で100億円近くに迫る大型契約。CBSスポーツが「ダブルプレー」と表現した衝撃的なニュースは、今後の市場にどのような影響を与えるのか。
特に、日本人選手の去就は気になるところ。鍵を握るのは、2人の加入ではじき出される可能性が出てきたヨエニス・セスペデス外野手となりそうだ。
今回のニュースを受け、早くも米メディアの間で名前が挙がったのが、マリナーズの岩隈久志投手。いったいどういうことなのか。
レッドソックスが獲得したラミレスは遊撃手。しかし、レッドソックスにはレギュラー遊撃手として、若手有望株のザンダー・ボガーツ内野手がいる。首脳陣には、ボガーツの守備位置を変えるつもりはないようだ。ラミレスはマーリンズ時代に三塁を守ったこともあるが、サンドバルが加入すればサードのポジションも埋まる。
そこで、ラミレスはレフトを守るというのが大方の予想だ。本人も2005年にメジャーデビューを果たした古巣への10年ぶりの復帰に向け、どこでも守る決意を明かしているとされている。
となると、現実味を帯びてくるのが、以前から噂に上がっていたセスペデスのトレードだ。今季途中にエース左腕ジョン・レスターとのトレードでアスレチックスから加入したキューバ出身の大砲だが、米メディアの間では“問題児”として名前が挙がることも多い。そこで、加入後はレフトを守っていたセスペデスをレッドソックスが早くも放出しようとしているのだ。
そこで、トレード相手の候補として名前が挙がっているのが岩隈だ。マリナーズが強打の外野手を求めているのに対して、レッドソックスは先発ローテーションの補強が大きなテーマになっている。お互いの思惑は確かに合致する。地元紙ボストン・グローブは、約1週間前の記事で岩隈について「レッドソックスは少なくともクラブ内で彼(岩隈獲得)について話し合いを重ねている状況だ」としている。
問題は、フェリックス・ヘルナンデス投手との「先発2本柱」としてチームの躍進を支えた岩隈をマリナーズが放出できるかどうか。計算できる右腕の代わりを探すのは至難の業。来季こそプレーオフ進出を果たしたいだけに、マリナーズが大きな決断を下せるかが最大のポイントになる。
また、セスペデスのトレード先としてはレッズの名前も挙がっている。このことによって、ロイヤルズからFAとなった青木宣親外野手の去就にも影響が出るかもしれない。