処分を受けた選手が続々と大型契約 MLBは禁止薬物を排除できるのか
昨年のスキャンダルで選手は処分を受けたが……
メジャーリーグはクリーンになったのか。
昨年8月5日。全米を揺るがした薬物スキャンダルに、一応の決着がついた。メジャーリーグ機構(MLB)が、フロリダ州マイアミのクリニック「バイオジェネシス」から禁止薬物を受けていたとされるアレックス・ロドリゲス内野手(ヤンキース)ら計13選手の出場停止処分を確定させたのだ。
あれから1年以上が経過。球界に蔓延する禁止薬物使用を排除するため、MLBが本腰を入れ始めたと見られていたが、処分を受けた当事者たちは現在もメジャーリーグで活躍を続けている。
ダーティーなイメージは、果たしてマイナスに作用しているのだろうか。
まずは事件を振り返ってみたい。発端は昨年1月29日。バイオジェネシスが2009~13年に選手に禁止薬物を提供していたとする証拠をつかんだマイアミの地元紙マイアミ・ニュータイムズが、大々的にこれを報じた。資料には、Aロッドを初めとする大物メジャーリーガーの名前がズラリ。前代未聞のスキャンダルとして、全米の関心事となった。
Aロッドら選手は疑惑を否定したが、MLBは本格的に調査を開始。7月22日になると、2011年ナ・リーグMVPのライアン・ブラウン外野手(ブルワーズ)が薬物使用を認めた。ブラウンは2011年12月にドーピングで陽性反応を示したが、このときは検査に不手際があったという異議申し立てが認められ、処分されていなかった。
そして、8月5日にはブラウン以外の13選手に処分が下された。証拠隠滅やMLBの調査の妨害を図ったとして、Aロッドには211試合、その他の選手は“初犯”として50試合の出場停止処分を受けた。異議申し立てを行ったAロッドだけは2013年シーズンも最後まで出場し、今年1月になって今季の全162試合出場停止が確定した。