9回でも球速落ちず…3勝目ロッテ二木が昨季の夏バテから学んだこと
伊東監督は信頼「先発の中でも安定感が増している」
3年目のロッテ二木が涌井、石川の両輪エースを凌ぐ働きを見せ始めた。
プロ入り初完封こそ逃したものの、27日のオリックス戦で快投した。失点は9回2死からT-岡田のソロアーチ1本のみで、109球、5安打無四球、6三振を奪い1失点。今季無傷の3勝目を挙げ、チームを今季初の3連勝に導いた。
「いつも通り、一人、一人、全力でストライク先行で投げた。内さんや中継ぎがみんな投げていたので、2点もらった時点で、最後までいくつもりだった」と二木。プロ入り初完封目前の9回2死。それまで2三振を含む3打席で全く自分の打撃をさせていなかった4番のT-岡田に内角146キロのストレートを拾われ、痛恨の一発を浴びた。
お立ち台では「最後に首を振って打たれて、田村さんに申し訳ないです」と謝罪した。田村のサインは2球目、3球目ともフォークだったが「自分がバカだった。最後はフォークで、というのがあったが、真っすぐでいってしまい、もったいなかった」と「情けない」を連発した。
もっとも伊東監督の評価は高い。「今年に入って、真っすぐのキレが、いい時に戻ってきた。先発の中でも安定感が増している。今日の投球は自信になる。攻めの気持ちがよかった。苦しい展開の中で、よく我慢して投げたくれた」と信頼感は抜群だ。
昨年は夏場以降にバテがきて、ラスト登板の9月28日ソフトバンク戦では、4回9失点と火だるまで9敗目を喫している。その反省を踏まえてチューブなどを使い、昨年オフから肩周辺の筋肉強化で肩のスタミナをつけた。この日のMAXは147キロだが、100球を超えた9回でも146キロと、その効果は確実に現れている。スライダーも切れ、カウント球と空振り三振に取る2種類のフォークも巧みに使い分けた。
「ファーストストライクは絶対に取りにいこうと思った。昨年悪い時でも、ずっと使ってもらった。今年は、あれだけ我慢して使って良かったと思われるくらいのピッチングをしたい」と感謝の思いでマウンドに上がっている。
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細野能功●文 text by Yoshinori Hosono