無観客試合にロッテナインの反応は様々　井上「悲しさはあります」福田秀「不思議な感じ」

先頭打者弾も静寂の福田秀「不思議な感じ」、応援は「楽しみにしておきます」

■楽天 4-2 ロッテ（オープン戦・29日・ZOZOマリン）

　ロッテは29日、本拠地ZOZOマリンスタジアムで楽天とのオープン戦を2-4で敗れた。今シーズンの本拠地初戦ながら、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、無観客での開催となった一戦。選手たちは前代未聞となる“初体験”に様々な感想を語った。

「歓声がない中でやるっていうのは集中することができた」と素直な感想を語ったのは、初回に楽天先発の松井から豪快なソロを放った井上晴哉内野手だ。その一方で「誰も見てくれない悲しさはありますよね」と本音も。それを紛らわすためか、「デモンストレーションみたいな？」と誰もいない右翼席に向かってホームランパフォーマンスも繰り広げた。

“移籍後初アーチ”となる先頭打者弾を放った福田秀平外野手は「不思議な感じはしました」と違和感を口にしたが「でも今はこういうときなので、自分自身しっかりと調整して。テレビで観てくれている方もたくさんいると思うので、とにかく開幕に向けてしっかりと調整したいと思います」と神妙な面持ちで語った。

　熱い応援で知られるロッテの応援団も当然不在。ライトスタンドへ飛び込む一撃に通常なら「得点テーマ」が響き渡るはずだったが、乾いた打球音を残して静寂に包まれた。移籍後初となる声援はお預けとなった福田秀だが、その日を「楽しみにしておきます」と笑顔を見せた。

　ロッテは誰もいない観客席に飛び込んだホームランボールを、球団公式インスタグラムでの抽選でプレゼントすることを決定。この日、一発を放った井上と福田秀がサインを書いて動画で公開している。また、リーグ公式動画配信サービス「パーソルパ・リーグTV」は無観客試合として行われるロッテ主催のオープン戦3試合を無料放送。この危機を、選手、球団が一丸となって乗り越えようとしている。

（工藤慶大 / Keita Kudo）