ソフトB柳田が珍サヨナラ打、工藤監督は勝利も苦笑い「初めて見ました」

ボテボテのゴロが三塁線を割らず…ヤクルト久古は膝からガックリ

 世にも珍しい決着でソフトバンクがサヨナラ勝ちを収めた。6日のヤクルト戦(ヤフオクD)、同点で迎えた延長10回。柳田が推定飛距離10メートルのサヨナラ適時打で、試合を決めた。

 2死三塁のチャンスで打席に立った背番号9。マウンド上には、左サイドの久古。初球、外角へのスライダーを空振りし、2球目はインコースへのシュートを空振り。そして3球目に、珍事は起きた。

 2球目と同じインコースへのシュート。柳田が放ったどん詰まりの打球は、三塁線へのボテボテのゴロに。一度大きく弾み、力無くコロコロと転がる。一塁は間に合わないと感じ取ったヤクルト守備陣は見送り、ファールゾーンへと切れるのを待ったが、今季張り替えられたばかりの人工芝で打球の勢いは殺され、見つめる左腕らをあざ笑うかのように三塁線ギリギリを転がり、ストップした。

 サヨナラの適時内野安打。無情な決着の付き方に、久古は膝からガックリと崩れ落ちた。劇的なサヨナラ勝ちとなったが、チームメートが作った歓喜の輪もどことなく不思議な雰囲気に包まれ、工藤公康監督も「長いこと野球をやっていますけど、初めて見ました」と苦笑いだ。

 試合後、ヒーローインタビューでお立ち台に立った柳田は「打球はめちゃくちゃダサかったですけど、みなさんの声援のおかげでフェアゾーンに止まってくれました」と振り返っていた。

【了】

福谷佑介●文 text by Yusuke Fukutani

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