霞みがちだった「メリット」が明確に 黒田の日本復帰がもたらすもの

ネガティブな印象が先行することが多い日本球界復帰

 先日、メジャーで7年間にわたり活躍した黒田博樹が、古巣・広島カープに復帰する決断をした。ドジャースとヤンキースの両チームで合計79勝(79敗)を記録。211試合に先発し、防御率はドジャースで3・45、ヤンキースで3・44、通算3・45という徹底した安定ぶりだった。

 辛口コラムで知られるニューヨーク・ポスト紙のジョエル・シャーマン記者は、ケーブル局MLBネットワークに出演した際に「タナカやダルビッシュが騒ぎ立てられるが、クロダが最高のピッチャー。7年間を通じて、投手有利と言われるナ・リーグ西地区から、打者有利と言われるア・リーグ東地区に移籍しても、まったくブレない安定感は称賛に値するものだった」と最高の褒め言葉を送った。

 今オフは、黒田の他にも松坂大輔(メッツ→ソフトバンク)、中島裕之(アスレチックス2A→オリックス)の日本球界復帰が決まっている。最近10年ほどは、ほぼ毎年新しい選手が日本から米球界へ移籍しているが、それと入れ替わるかのように、再び日本で活躍の場を見出す選手も増えている。

 日本からアメリカへ渡る時は一般的に前向きでポジティブな印象を持って受け止められるが、どういうわけかアメリカから日本球界に復帰する時は、メジャーで通用しなかったための「出戻り」と見られ、ネガティブな印象がついて回ることが多い。今回の黒田のカープ移籍は、そういった米国経験組が日本へ復帰する際の印象を変える、1つのきっかけになるのではないだろうか。

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