阪神サンズ、米紙に胸中吐露 新型コロナさらに感染進めば「シーズン実施は…」
OP戦で経験した無観客試合には「ファンがいないと全く異なった雰囲気」
新型コロナウイルス感染拡大の影響でメジャーリーグを始め、日本、韓国、台湾などのプロ野球は軒並み開幕を延期。先行き不透明な情勢が続いている。米紙「ボストン・グローブ」は「スポーツが戻ってくるのはいつになるか? アジアのリーグのはMLBに貴重なことを教えてくれる」とのタイトルで日本のプロ野球の現状を紹介、阪神の新外国人ジェリー・サンズが日本の現状について語っている。
「アメリカのプロスポーツリーグは新型コロナウイルス感染拡大の影響で全てシャットダウンしているが、アジアの3つの野球リーグ(日本、韓国、台湾)はそれぞれ異なった状況である。日本、韓国、台湾のリーグが試合を何とか行おうと努力している様子は、アメリカのスポーツにとってもとても参考になることが多い」と記事は指摘する。「アジアのリーグから学んだこと」として「(PCR検査での)1つの陽性結果により、リーグ全てが混乱する」と説明し、阪神の藤浪晋太郎投手、伊藤隼太外野手、長坂拳弥捕手が新型コロナウイルスに感染したことを紹介。NPBの開幕が白紙になったと伝えている。
2016年にホワイトソックスでプレーし、今季阪神に加入したサンズは妻、5歳と3歳の息子2人ともに日本にいる。32歳の助っ人は「世界中で『6フィート(約1.8メートル)』とか『ソーシャルディスタンス(社会的距離)』とか言われているけど、僕は打席に入らないといけないし、守らないといけない。心配しているよ」と「ボストン・グローブ」に語っている。
サンズはさらに、もし他の選手が陽性になったら、シーズンはどうなるのか。開始がどんどん遅れるだろうかと、困惑する胸中を語っている。「感染者が出たチームと接触があったということで他の複数球団もプレーできなくなった場合、シーズンを行うのは難しいのではないか。どの時点でウイルスの影響がなくなったと言えるのか? 分からないことだらけだ。本当に疑問だらけだよ」と、困惑する胸中を語っている。
次に記事は「ファンがいないと全く異なった雰囲気になる」と指摘する。アジアのリーグは無観客でオープン戦などを実施したと説明。「(ファンがいないと)全く異なった雰囲気だよ。(ダグアウトで)相手チームが何を話しているのか全て聞こえる。もちろん我々が何を話しているのかも相手に聞こえる」と語っている。
さらに、MLBは無観客試合を現在検討中であると言及。「MLBは試合の実施を楽観視しているようだが、2020年シーズンが全てキャンセルになる可能性もある。日本、韓国、台湾のリーグを見ていると、何が出来るか、出来ないかという点で多くのことを学ぶことが出来る」と指摘している。
日本のプロ野球開幕は最短でも5月下旬。とはいえ新型コロナウイルスの感染状況により、更に延期される可能性は十分にある。過去に例を見ない事態に誰もが困惑している。
(Full-Count編集部)