12球団のドラフト史上最高“当たり年”は? 広島は会心1本釣りの2006年

現在はツインズに在籍している前田健太(左)と広島・會澤翼【写真:Getty Images、荒川祐史】
現在はツインズに在籍している前田健太(左)と広島・會澤翼【写真:Getty Images、荒川祐史】

2006年のドラフトでは12球団で唯一、単独指名に成功した広島

 毎年、100人近い新人が新たに飛び込んでくるプロ野球の世界。誰もが大きな志を抱いて入団してくるものの、活躍できるのはほんのひと握りしかいない。長いドラフトの歴史で12球団それぞれの最高の“当たり年”だったのは、いつだろうか。各球団を検証していってみよう。今回は広島だ。

 1950年から球界に加わった広島。市民球団として資金が潤沢ではない中、若手をうまく育てて戦ってきた。その中でも“当たり年”と言える年は複数ある。その中でも最も“当たり”だったのは、2006年ではないだろうか。

 この年は高校生ドラフト1位で前田健太、3位で會澤翼を指名。さらに大学・社会人ドラフト3位で上野弘文、4位で青木高広、5位で中東直己を指名した。2006年の何が凄いといえば、他の11球団が田中将大、堂上直倫、大嶺祐太、増渕竜義でそれぞれ競合する中で、広島は前田への評価を貫き、12球団で唯一、1本釣に成功した点にある。

 その前田は3年目に台頭すると、4年目から6年連続2桁勝利、2度の最多勝、2010年と2015年には沢村賞に輝き、球界を代表する投手に。2016年にはドジャースに移籍し、MLBでも活躍している。3位の會澤も強打の捕手として今や不動の存在に。3年連続でベストナインに選ばれ、侍ジャパンの正捕手にもなった。

 大学社会人ドラフトの面々は地味ながらも、3位の上野は中継ぎとして154試合に登板。4位の青木も2011年に76試合に登板するなど、広島と巨人で計249試合に投げている。中東も貴重なバイプレーヤーとして1軍の戦力となった。

 広島はこの翌年の2007年、高校生ドラフト1位で安部友裕、3位で丸佳浩、大学社会人ドラフトでは3位で小窪哲也、4位で松山竜平が入団している。前田はメジャー挑戦後だったものの、この2年で2016年からのリーグ3連覇の中心選手が入団している。

 このほかでいえば、1位で野村謙二郎、5位で江藤智を指名した1988年や1位で佐々岡真司(現監督)、4位で前田智徳、6位で浅井樹が入団した1989年も“当たり年”。最近では、大瀬良大地、九里亜蓮、田中広輔を指名した2013年の成果が光っている。

【表】広島のドラフト“史上最高”当たり年 2006年の指名選手を一覧でチェック

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