現代野球で更新は可能か? 84年の球史で“1人”しか達成していない偉大な打者記録
本塁打、打点、四球…改めて分かる王貞治氏の偉大さ
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で開幕が延期となっている日本のプロ野球。交流戦、オールスターの中止は決まり、試合数も143試合から減少する見込みとなっている。これに伴い、選手の通算記録にも大なり小なり影響を受けることになるだろう。
未曾有の事態となっている2020年だが、これまで長い歴史を紡いできたプロ野球84年では数々の偉大の記録が生まれてきている。この中にはもはや現代野球では到達不可能とも言える超人的な記録もある。そこで、84年のプロ野球の歴史で、ただ1人しか、その節目に到達できていない数々の偉大なる通算記録をクローズアップしてみたい。今回は野手編だ。
・3000安打(張本勲:3085安打)
日本ハムの前身である東映フライヤーズの中心選手として長く安打を量産してきた張本氏。1959年にプロ入りすると、1981年に現役を引退するまで東映(日拓、日本ハム)、巨人、ロッテで23年間プレーし、通算3085安打を放った。意外にも最多安打は1970年、1972年、1976年の3度しかないが、20年連続で100安打超を放ち、ヒット数を積み重ねてきた。
2位は野村克也氏の2901安打で現役最多は内川聖一の2171安打(日米通算では福留孝介の2395安打)。今季史上最年少での2000安打がかかっていた坂本勇人は現在1884安打。まだ31歳と若く、張本の3085安打超えにも期待が集まる。なお日米通算ではイチロー氏が4367安打を放っておりダントツ。
・800本塁打(王貞治:868本塁打)
・5500塁打(王貞治:5862塁打)
・2000打点(王貞治:2170打点)
・2000四球(王貞治:2390四球)
改めてみると王貞治氏(現ソフトバンク球団会長)の凄さがよく分かる。王氏は本塁打、塁打、打点、四球でただ1人しか到達していない頂きにいる。1959年に巨人入りし、1980年の現役引退まで22年間プレー。現在とは球場の広さなどに違いがあるものの、そのどれもが群を抜く数字だ。
通算本塁打が700本を超えているのは王氏ただ1人。2位の野村克也氏が657本塁打で、その差は211本にもなる。1962年から13年連続、通算で15回の本塁打王に輝き、1962年から引退する1980年まで19年連続で30本塁打以上、うち13年で40本以上と驚異的な本塁打数を記録している。単純計算で20年連続で40本塁打打たなければ、手が届かないという大記録だ。
王氏は5500塁打、2000打点、2000四球にも、球史でただ1人到達している選手。5862塁打は2位の野村氏の5315塁打に547差、2170打点は同じく182差、そして2390四球は2位の落合博満氏に915もの差をつける。王氏は1963年から16年連続で100四球を超えている。相手球団から徹底的に警戒されている中でも打ち続けていたことが、またその凄さを痛感させられる。
なお王氏は1974年にシーズン最多記録となる158四球を選び、出塁率.532という驚愕の数字を叩き出している。また1967得点、427敬遠、通算出塁率.446も歴代1位となっている。