カブス若手、“あの球場”でランニング弾 阻止狙った外野手の“鬼肩”も話題に

本塁へと駆けるハビエル・バエス【写真:Getty Images】
本塁へと駆けるハビエル・バエス【写真:Getty Images】

ダイヤモンド一周16秒11の俊足VS右翼から約93.6Mの強肩返球

 7日(日本時間8日)にジャイアンツ本拠地で行われたカブス戦で、驚愕の才能がぶつかり合う奇跡の瞬間が生まれた。

 ファンがため息を漏らした瞬間は、0-0で迎えた2回表にやってきた。2死一塁の場面で打席に立ったのは、カブスの俊足遊撃手ハビエル・バエス。ジャイアンツ先発ムーアが投げた初球92マイル(約148キロ)速球をすくい上げるようにフルスイングすると、打球は大きな弧を描いて右中間へ飛んだ。あわやスタンドインするかと思われた打球はフェンス手前で降下し、壁にぶつかって右翼線へ向かって勢いよく転がった。

 舞台となったAT&Tパークは、外野がいびつな形をしていることで有名な球場。特に右翼から中堅にかけての壁は形状がいびつなばかりか、衝撃吸収マットや金網、レンガなど、壁を構成する素材もまた様々。フェンスや壁に直撃した打球が、思わぬ方向へ跳ね返り、守備に就く野手を悩ませることが多い。2007年にはイチロー外野手(当時マリナーズ)がオールスター史上初のランニングホームランを放ち、MVPに輝いたことでも知られている“あの球場”だ。

 この日もその例外ではなかった。右翼を守るジャイアンツ新人カルロス・モンクリフは打球を追いかけて右中間フェンス直前まで行ったが、それをあざ笑うかのように壁で跳ね返ったボールは、モンクリフの脇を抜けて右翼線の方向へ転がった。モンクリフが賢明に追いかける間に、打ったバエスは快足を飛ばしてダイヤモンドを駆け巡った。モンクリフがようやく捕球し、送球体勢に入った頃には三塁を蹴ってホームへ一目散。ホームへの返球を見たバエスは、ヘッドスライディングを決め、見事自身初のランニングホームランを記録した。

 本塁から本塁までの到達時間が16秒11という俊足にも驚きだが、さらにファンを驚かせたのはモンクリフの鬼肩だ。ボールを掴むと、そこから本塁へワンバウンド送球。今季メジャー外野手の送球では7番目に長いという307フィート(約93.6メートル)を軽々と投げて見せた。

 球団公式サイトによると、自身初の快挙を達成したバエスは「みんな本当にエキサイトしていたよ」とチームメイトの興奮ぶりを伝えると同時に、「自分はただ疲れただけだったけど」と笑ってみせたという。

 試合は5-3でカブスが勝利を収めた。

【動画】“あの球場”でランニング弾…ダイヤモンド一周16秒11の俊足VS右翼から約93.6Mの強肩返球

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