米通算208盗塁の名手が仰天“クロール走塁”、敵野手あ然の二盗成功
ブレーブス二塁手フィリップスが類い稀なる運動神経見せつける
盗塁成功のカギと言えば、スピード、スタートのタイミング、状況を読む力など、様々な要素が思い浮かぶが、どうやら「かわす」能力も大きな要素となるようだ。22日(日本時間23日)本拠地でのマリナーズ戦で、ブレーブスのベテラン二塁手フィリップスが見せた“クロール”走塁が大きな話題になっている。
仰天の場面が生まれたのは、0-0の3回だった。1死から中前打で出塁したフィリップスは、次打者フリーマンが空振り三振すると同時に二盗を仕掛けた。マリナーズの捕手ズニーノは二塁ベースからやや一塁寄りに完璧送球。ベースカバーに入ったシーガーが捕球した時には、まだフィリップスはベースより2メートルほど手前に着いたばかりだった。万事休す、と思われたが、ここで通算208盗塁を誇るベテラン二塁手は驚きの行動に出た。
二塁へ向かってヘッドスライディングをすると同時に、体の右側に体重をかけて右腕を前方に伸ばすと、体の左側を宙に浮かせて左腕を後方から前方へグルッと一回転。水泳のクロールそのものの動きをしながら、タッチしようと突き出されたシーガーのグラブを見事に避け、二塁ベースへ無事到達した。
MLB公式サイトの動画コーナー「Cut4」では、ツイッターで動画を公開。「フィリップスの泳ぎのおかげで、カイル・シーガーはエアタッチ」という言葉を添え、“クロール走法”でかわされたシーガーのタッチが空振りした様子を伝えた。試合を中継した実況は、この場面で「ホーリー・スイムムーブ!(なんて泳ぎだ!)」と驚愕した。
そもそも、なぜ三塁手シーガーが二塁ベースカバーに入ったのか。実は、左の強打者フリーマンには守備シフトが敷かれ、遊撃セグラは一二塁間に、そして三塁シーガーが二塁ベース付近に位置していた。シーガーが慣れない二塁ベースカバーに入ることを見越した上でのフィリップスの二盗成功だった。
試合は、抜け目ない攻撃を重ねたブレーブスが4-0で勝利を収めた。