減少する“お化けフォーク” 専門家が分析する千賀対日本ハム打線の分水嶺とは?
森脇氏は千賀の投球を「絶好調ではなく、探り探りだったと思う」と分析
■日本ハム 2-1 ソフトバンク(21日・PayPayドーム)
ソフトバンクは21日、PayPayドームで日本ハムに1-2で逆転負けを喫し、1ゲーム差で追う首位・楽天に並ぶことはできなかった。先発の千賀滉大投手は6回まで無失点を続けていたが、7回に同点打を許して降板。直後に勝ち越され、今季自身3度目の先発マウンドで初黒星がついた。
直球は150キロ後半ながら高めも多く、明らかなボール球も少なくない。その中で千賀はカットボールやスライダーを投げ分けながら、スコアボードに「0」を並べていった。6回2/3を投げて6安打2失点。結果だけ見れば、先発としての役目を果たす投球ではあった。
「絶好調ではなく、探り探りだったと思う。ピッチングも、投球フォームも。それでも自分の中で優先順位をしっかりとつけ、テンポ重視でゲームを作るんだという意識はいつも以上に感じた」
元オリックス監督で、ダイエーやソフトバンク、中日でコーチを務めた森脇浩司氏は、鷹のエースの投球をこう振り返る。
今季初登板となった7日の楽天戦(PayPayドーム)では5回3失点。その1週間後の14日のオリックス戦(京セラドーム)では6回2失点。いずれも勝ち星を挙げた2試合にも森脇氏は触れながら「前々回より前回と良くなっていた。体が横振りだった点も修正されてきていたし、順調にきているなという中で迎えた今回だった」。初めて黒星がついた以上に、投球内容の違いにも驚いたという。
代名詞でもある「お化けフォーク」が少なく、カットボールとスライダーを多投。「真っ直ぐとフォークの仕上がりを楽しみにしていたが、クレバーな投手らしくピッチングスタイルを変えてきた」と森脇氏。打たせて取る投球で、走者を出しながらも粘った。