競技者人口の増加、そしてパラ五輪競技採用へ 西武が手掛ける活動の意義
「車椅子ソフトボール大会」を開催する西武、活動に込める思いとは
今月2日と3日の2日間、埼玉県さいたま市大宮区にある大宮第二公園多目的広場で「第3回ライオンズカップ車椅子ソフトボール大会」が開催された。株式会社西武ライオンズが主催する同大会は、今年日本初となるジュニア大会も同時に行われ、炎天下に負けないほどの熱い戦いが繰り広げられた。
車椅子ソフトボールは、アメリカが発祥の10人制車椅子競技。日本では、「障がいをもつ方々も野球やソフトボールが楽しめるように」というコンセプトで北海道を起点として広まり、現在では全国各地で普及活動が行われている。埼玉西武ライオンズはその活動に支援する形で、2015年からプロ野球球団初の主催となる「ライオンズカップ車椅子ソフトボール大会」を開催している。
大会初日は大会開始前に雨が上がったものの、あいにくの天気となった。一方、2日目は初日と打って変わり晴天に。両日とも大宮第二公園の西寄りに位置する多目的広場の二面を使用し、日本車椅子協会加盟の6チームによる本大会とジュニア大会が行われた。
正直な話、車椅子に乗りながら打球を追いかけるのだから、そんな簡単にアウトにならないだろうし、簡単に打てないのではないだろうか……などの見方もあった。しかし、実際は走・攻・守ともにレベルが高く、そのプレーは驚きの連続だった。
打者はバットで投球を打ち返し、すぐさま両腕で車椅子を懸命にこいで一塁へ向かう。一方の守備側は広いグラウンドで打球を追いかけ、安定しない車椅子上で上半身だけを駆使し、距離の離れた一塁に送球する。このプレーの一つ一つが想像以上に難しい。