鷹バレンティン、大不振の原因はどこ? 専門家が感じる異変「当たる気配ない」

ソフトバンクのウラディミール・バレンティン【写真:藤浦一都】
ソフトバンクのウラディミール・バレンティン【写真:藤浦一都】

元同僚・飯田哲也氏が指摘「開幕直後にガンガン攻められて…」

■ソフトバンク 5-4 西武(31日・PayPayドーム)

 シーズン60本塁打の日本記録保持者であるソフトバンクのウラディミール・バレンティン外野手が、いまだかつてない大不振に陥っている。7月31日に本拠地PayPayドームで行われた西武戦に「6番・指名打者」で先発したが、全3打席空振り三振と散々だった。

 7月を終えた段階で打率.182はパ・リーグの打率ランキング最下位(36位=規定打席数以上)に低迷している。大不振の原因はどこにあるのか? ヤクルトのコーチ時代に指導した飯田哲也氏が、その原因を探った。

 この日の3打席は全て、西武先発のエース右腕ニールと対戦し、1打席目は真ん中高めのツーシームに、2打席目と3打席目はいずれも外角低めのチェンジアップに、バットが空を切った。「これほど状態の悪いバレンティンは、過去に見たことがない。まともに当たる気配もない」と首をひねる。

「もともとライト方向にもヒットを打てる打者なのに、やたら引っ張りにかかっている。体の開きが早いため、外角の逃げる変化球にバットが届かない。一方、外角いっぱいに直球を決められると、普段より遠く見えて手が出ない」と分析する飯田氏。だが、「そんなことは、プロなら誰が見ても一目瞭然で、ソフトバンクのコーチも修正のための練習をさせているはず。それでもゲームではできない。本人も『なぜなのか?』と頭を抱えているところでしょう」と推察する。

 打順も開幕4番でスタートしたが、最近は6番が定位置となり、7月30日の西武戦では相手先発が右アンダースローの與座だったことから、スタメンを外れたほどだ。

 昨季限りで来日以来9年間在籍したヤクルトを退団。初めてのチーム、初めてのリーグで戸惑いを隠せないということか。飯田氏は「開幕直後、インコースをガンガン攻められ、むきになって内角を強く打とうとし過ぎて打撃フォームを崩したようにみえる。パ・リーグの方が球威のある投手が数多いことも関係していると思う」とみている。

 一方で、7本塁打、19打点が示す通り、一発長打の魅力は捨てがたく、首脳陣としてはおいそれとスタメンから外したり、2軍調整には踏み切れない。7月2日に36歳になったバレ砲だが、まだ老け込む年ではないだろう。ソフトバンク首脳陣の再生術が見ものだ。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY