田中将大が残留、ヤ軍名物記者が指摘「肘の問題を見て見ぬふりはできない」

ヤンキース・田中将大【写真:Getty Images】
ヤンキース・田中将大【写真:Getty Images】

契約破棄の権利を行使せず、「多くの関係者が予想していたとおりの決断」

 ヤンキースの田中将大が3日(日本時間4日)、来季以降もチームに残留することを発表した。球団を通じ、契約を破棄してフリーエージェント(FA)になれる「オプトアウト」の権利を行使しないことを表明。3年6700万ドル(約76億4000万円)の契約を残しており、2020年までヤンキースでプレーすることが決定的となった。FAにならないと決断した背景について、地元紙「ニューヨーク・ポスト」は、2014年に靭帯部分断裂を負った右肘の状態が懸念材料になったと分析している。 

 ニューヨークで大きな注目を浴びていた田中の契約。本人が「この度、ヤンキースの一員として今後もチームに残る決断をさせて頂きました。この4年間、選手としてヤンキースという球団、並びにヤンキース・ファンのためにプレーできたことを心より嬉しく思っております。ですので、ヤンキースに残るという決断は私にとって決して難しいものではありませんでした」と声明を発表し、さらにワールドシリーズ制覇へ向けて突き進むことを宣言し、決着がついた。愛着のあるヤンキースでのプレーを選んだ形だ。 

 ただ、ヤンキース番の名物記者である「ニューヨーク・ポスト」のジョージ・キング氏は「マサヒロ・タナカはヤンキースに残留するよう決断をしなければならなかった」との見出しがついた記事の中で「タナカは多くの関係者が予想していたとおりの決断を下した。関係者たちは彼が3年6700万ドル以上の価値をFAとして得るのは難しいと考えていた」と指摘。そして、「平凡なレギュラーシーズンと素晴らしいポストシーズンという二面性をみせたタナカだが、関係者がそう考えた一番の理由は、タナカが2014年に負った右肘靭帯の部分断裂によるところが大きい」と分析している。 

 2014年にヤンキースと7年総額1億5500万ドル(約176億8000万円)の大型契約を結んで加入した田中は、デビューから圧倒的なピッチングを続けた。開幕6連勝を飾り、16試合連続クオリティースタート(QS、6回以上を自責3以下)を達成。14試合登板時点での成績は、11勝1敗、防御率1.99と衝撃的なものだった。 

 しかし、7回途中5失点でシーズン4敗目を喫した同年7月8日のインディアンス戦後、右肘の痛みを訴えて離脱。検査の結果、靭帯の部分断裂が判明した。1年以上の離脱が必要となるトミー・ジョン手術を受ける可能性も浮上する中、ヤンキースはそれほどの重症ではないとの診断結果から、保存療法を選択。田中は結果的に約2か月半の離脱後に復帰した。 

肘が原因での離脱は2年目以降はなしも「活躍していない時について回る話題」

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