DeNA大和は「打つコツを知っている」 分析のプロが指摘した巨人に求められた配球
同点の8回2死二塁から右翼線へ決勝打、元巨人スコアラーの三井康浩氏が解説した
■DeNA 2-1 巨人(16日・横浜)
芸術的といってもいい打撃技術だった。DeNAは16日、本拠で巨人と戦い、2-1と逆転勝利を収めた。同点の8回2死二塁から8番・大和が豪速球男・巨人ビエイラの156キロの直球を右翼線に運ぶ決勝タイムリーを放った。20年以上、巨人でスコアラーとして、相手チームなども分析してきた三井康浩氏は「打つコツを知っている」と大和の狙いすました打撃を絶賛した。
大和のスイングに目を奪われた。「振り幅の小さい打撃。全く、無駄の力がない、理想的なスイング。インパクトで100、それ以外は0の力。0から100にする、まさにそういうバッティングができていました。なかなかできるものではないです。大和選手は打つコツを知っているバッターです」。その直前に同点アーチを放った佐野のバッティングも見事だったが、一瞬で右翼線へ運ぶ打撃は長距離ヒッターではできない技術と言える。
「アベレージ系でミート率が高い打者ができる打ち方です。練習でもしっかりとやっているから、あのような打撃ができるし、コツがあると思います。バッターはどうしても打席で力が入る。どうやったら力を抜けるかを考えている。大和選手は自然にそれができています」
ギリギリまで引き付けて、インパクトの一瞬でフルパワーにして打球をとらえる。変化球にしても、曲がり方がわかっていれば、強い打球を打てることができる。
「その前の打席でも、そういう打ち方をしていた。巨人バッテリーは見抜かないといけない。直球で攻めるのではなく、スライダーやインコースを振らせるなど、揺さぶりが必要でした。自分のスイングが遅れているなと相手(大和)に思わせべば、いくら大和でも、自然と力が入る。力が入れば、あんなシュアな打撃はできない。バッテリーにはそう言う配慮が必要かなと思いました」
駆け引きと技術が詰まった決勝点の場面だった。