燕40歳・石川は「勝てるお手本」 “小さな巨人”が長く勝てる秘訣を元同僚が解説
ヤクルトで選手、コーチとしてプレーした飯田哲也氏
■ヤクルト 2-1 巨人(21日・神宮)
ヤクルト・石川雅規投手が21日、本拠での巨人戦に先発。6回3安打1失点の粘りの投球で今季2勝目を挙げた。40歳のベテラン左腕は緩急自在の投球で坂本の本塁打1本に封じ込めた。ともにヤクルトでプレーした野球解説者の飯田哲也氏は「球が速くなくても勝てるお手本」とその投球術を絶賛した。
3回まで完全投球。130キロ台の直球と変化球で、3回は大城、北村、高橋から3者連続三振を奪った。対戦が少ない打者からすれば、なかなか攻略できる相手ではなかった。4回2死に坂本にソロを浴びたが、ベテランの円熟味を発揮するピッチングだった。
「今日は低め低めに丁寧に投げていて、石川の持ち味でもある、打たせてとる投球ができたのかなと思います。制球が甘くなると、石川は打たれてしまう。根気よく投げられたかなと思います。配球を変えたりしながら、球が速くなくても勝てるお手本です」
直球、チェンジアップと精度が高かった。それに捕手の中村が相手のバッターをよく見ながら、石川をリードしていた。
「まっすぐを狙っているなと思ったら、変化球。その反対もできていた。駆け引きも、バッテリーの作業ができていました。坂本は緩い球に合わせていました。なんでも、かんでも、打ちに行くとやられちゃうことわかっている坂本だからこそ打てた一打です。狙い球を絞っていましたね」
石川の駆け引きや、力の抜きどころなど、学ぶところは多くあった。飯田氏は石川の投げる試合を守備位置のセンターから見つめた試合も多くあった。
「投げるスタイルは変わってないと思います。でも、球は遅くなっています。ツーシーム、カットボールだったり、球種は増えています。あとはよく『こういうとき、野手はどんなこと考えているんですか?』とか打者目線のことをよく聞いてきましたね」
練習姿勢や取り組みが熱心だった印象を今でも持っている。同い年の五十嵐亮太投手が引退を表明。会見では200勝を目指して欲しいと話したが飯田氏も同様の思いだった。
「200勝まで行ってほしいですね。200勝した日に『もう辞めます』くらいと言ってほしいですね。石川は頑張り屋さん。小さい体でも、コントロールで生きているから、40歳まで先発で投げられている。速球派、パワー系の投手は活躍の期間が短い傾向もあります。山本昌さんのようにコントロールで生きるタイプは長くできる可能性があります」
飯田氏は楽天に移籍後、石川と初対戦をし、2安打したことを少し誇りに持っている。ともに同時代を生きた後輩に1年でも長く、1勝でも多く、チームに貢献する姿が見られることを願っている。
(Full-Count編集部)