DeNA佐野が一発含む3安打と躍動 イースタン選抜が米国&欧州混成チーム撃破
4番の佐野は一発含む3安打「打撃フォームの改造が成果になって嬉しい」
今年のアジアウインターリーグ、イースタン・リーグは昨年の井上真二監督に引き続き、巨人の川相昌弘2軍監督が指揮官を務めている。
昨年の顔ぶれからは今季、巨人の宇佐見真吾、DeNAの嶺井博希、ヤクルトの山崎晃太朗などが1軍で頭角を現した。今季の顔ぶれも、次代を担うスター予備軍が揃っている。巨人は坂本工宜、成瀬功亮、松原聖弥と3人の育成選手を派遣。選手層が12球団一厚く、2軍戦でも出場機会に恵まれない育成選手を試す機会にしたいようだ。
28日、台中洲際棒球場の夜の試合の相手は、米国&欧州混成チーム。MLB傘下のマイナー選手、アメリカ、カナダの独立リーグの選手、イタリアなどヨーロッパリーグの選手などの混成軍だ。WBSCの統一ユニフォームで出場している。
その中にはダンテ・ビシェットというMLBファンには懐かしい名前も。1995年、ロッキーズ時代に2冠王に輝いた強打者だが、御年54歳。もちろんその人ではなく、息子のダンテ・ジュニアだ。25歳になるが、ヤンキース傘下で未だにメジャー昇格を果たしていない。ビシェットは「2番・三塁」で先発し、二塁打を1本打った。
アジアウインターリーグに出る他のチームは、選手の経験値を高め、レベルアップを目標にしているが、米国&欧州混成チームは、NPB、KBO、CPBLなどへの選手の売り込みも考えているようだ。ほとんどが20代後半の選手だ。
28日の試合は、イースタンはヤクルトの岩橋慶侍が先発、米国&欧州混成チームは、現在独立リーグのロックランドにいるニック・サリアニデスが先発。イースタンは1回2死から3番・田中和基が二塁打で出塁、ここから1四球を挟んで4安打を集中させ、5点を先取。サリアニデスは投球が単調で日本打線にとらえられた。
しかし、イースタン先発の岩橋も投球のテンポが悪い上に制球が甘く、1回裏に独立リーグ、ウィチタ所属のマシュー・チャベスに一発を浴び、3失点。その後も両軍は点の取り合いとなり、5回までイースタンの8-4。試合は長引いたが、ウェスタンは2番手の巨人谷岡が好投。米国&欧州混成チームも継投した投手が好投し、試合は引き締まった。
結局、イースタンが10-5で、米国&欧州混成チームを下した。チームの組織力。守備力では日本チームがはるかに上だが、パワーでは、米国&欧州混成チームの方がやや上、という国際試合でよくみられるパターンだった。
優秀選手には1本塁打を含む3安打を打った4番のDeNA佐野恵太が選ばれた。佐野は「秋季キャンプから打撃フォームの改造に取り組んでいたが、それが成果になって表れてうれしい」と語っていた。
(広尾晃 / Koh Hiroo)