有原らメジャー流出の可能性や伸び悩む清宮…日ハム栗山監督、続投で直面する課題
日ハム栗山監督は2年連続Bクラス低迷も来季続投、球団最長を更新する
日本ハムは17日、栗山英樹監督の来季続投を発表した。今季は2004年の北海道移転後では初の2年連続Bクラスとなる5位に低迷。球団最長を更新する10年目に突入する来季は例年以上に難しい舵取りとなりそうだ。
1.投打の軸がメジャー流出する可能性
有原航平投手、西川遥輝外野手はともに、昨オフからメジャー移籍する意向を示している。有原は今季は8勝止まりだったものの、防御率3.46はリーグ3位。チームで唯一規定投球回に到達してリーグ2位の132回2/3を投げた。西川はリーグ4位の打率.306、リーグ2位の42盗塁を記録。今季はチーム80盗塁(リーグ5位)だったが、その半数以上を記録した不動の切り込み隊長だ。
ダルビッシュがメジャー移籍した2013年に2012年まで3年間勝ち星のなかった左腕・吉川光夫を見出してリーグ優勝。大谷翔平が移籍した2018年は3位に入ったが、ここ2年間はBクラスに低迷。またも手腕が問われることになる。
2.清宮幸太郎の育成
史上最多の高校通算111本塁打、2017年ドラフトでは7球団が競合した逸材だが、入団から3年連続で7本塁打止まり。今季は自己最多96試合出場したものの、打率.190、22打点とブレークしきれなかった。将来のクリーンアップどころか、球界を代表する強打者にならないといけない未完の大器だ。
2015年には開幕から不振だったレアードを粘り強く起用して2年連続30本塁打以上。日本一に輝いた2016年の主力打者に育て上げた。ファームには野村佑希、万波中正ら魅力あふれる若手もいる。「スカウティングと育成で勝つ」戦略がチームの強化の方針。そろそろ中田翔、近藤健介、大田泰示らと打線を組む打者を育てたいところ。
3.リリーフ陣の整備
日本一の2016年は宮西尚生、谷元圭介、マーティン、バースらが鉄壁リレー。栗山監督は「中継ぎは生命線。うちの宝物」とまで言ったが、ここ数年はブルペン整備に苦しんでいる。中継ぎエース・宮西はプロ入りの2008年から13年連続50試合登板、防御率2.05とフル回転したものの、昨季自己最多25セーブをマークした守護神・秋吉亮は防御率6.37と不振でシーズン中に2度の戦線離脱。玉井大翔は49試合登板、防御率3.46、堀瑞輝は45試合登板、防御率4.19で続くが、駒不足、不安定な印象を拭えない。
リーグ2位のチーム打率.249、リーグ3位のチーム493得点を記録したものの、チーム防御率4.02はリーグ4位。チーム75失策、13捕逸はリーグワーストだった。チーム再建へ課題は山積みと言えそうだ。ショートスターター、思い切った守備シフトなど新戦術を繰り出してきた栗山監督。5年ぶりのリーグ優勝へ、どのようなタクトを振るうのか注目が集まる。
(Full-Count編集部)