グラブの“練習用”って何? 折れたバットの使い道… 野球女子の疑問に答えます
キャッチャー装具やバットをこまめに、干すのは〇〇が天敵だから!
――「キャッチャーの装具を干している光景をたまに見ますが、干さないとクサくなるから?」という質問が届いていますが……どうでしょう?(笑)
N 面白い質問ですね。あれは確かに、クサくなるよね(笑)。
K あはは。匂い防止以外に、何か理由はあるんでしょうか?
F 防具はすごく湿気を吸うから、乾かしているんじゃないかな? バットも干す人、いますよね。中の水分を抜いて弾きをよくするために。イチローさんがそうでした!
N そういえばメジャーに行った選手が日本からバットを送ってもらう時も、中に防湿材を入れて、しっかり湿気の管理をして届けてもらっているよね。
K もしかして、グラブも干します? 匂い防止以外に、汗とかの水分を乾かすために。
N はい。水分は劣化につながるので。だから、雨の日の後は大変!
F 水分を抜くために冷蔵庫に入れたり、逆に温める機械(注:グラブ乾燥ケースのこと)もありますね。そうやって乾かしてグラブの水分を抜いたら、オイルを塗るんです。水分は敵だけど、乾燥しすぎもダメなので。
――なるほど。用具で言えば、バットについての質問も来ていました。「試合中、バットが折れるのを見かけることがあります。選手は試合会場に何本くらいバットを持ってきていますか? 大体1か月で何本くらい買うのでしょう?」
N バットは全く折らない人もいるから、選手によるけれど、みんな10本くらいは常備しているはず。契約しているメーカーさんが用意してくれるんですよ。バットも、木のどの部分で作ったか、どんな職人さんが削ったかで全然違う。選手は握っただけで、「これ重い」「少しグリップが細い」とか、ちょっとした違いもわかるんです。だから選手によっては、体調に合わせて、持ってきてもらったバットに使う順番を書く人も。体が重いと思ったら軽いバットから使っていくなど、今の状態にあったバットで試合に臨んでいますね。そうして結局、使わないまま終わってしまうバットもあるとか。
K ちなみに、さっき言っていた“バットを折らない選手”って誰がいますか?
N バッティングで、ボールを芯で捉えるのが上手な選手は、ほぼ折れない。
F 柳田悠岐選手(ソフトバンク)もあんまり折れない選手だと思う。今年のシーズン開幕頃のバットは(バットの)芯の部分だけ塗料が落ちて、真っ白になっていたから。
――ところで折れたバットって、その後どうなるんでしょうか?
K お箸とかキーホルダーとか、グッズを作ったりしますよね。
N キャンプや試合前練習みたいに、お客さんが見ているようなシチュエーションで折れると、テーピングでグルグル巻きにした後、サインを入れてプレゼントすることも。
K 再生法だとグッズが多いけど、野球女子なら、折れたバットでどんなグッズを作ってほしいでしょうね?
F それ、聞いてみたい。逆に僕らに教えてほしいよ!(笑)
いかがでしたか? 「試合の舞台裏にまつわる疑問」前編は、用具にまつわる内容を中心にお送りしました。次回は、バッターとキャッチャーの打席での会話内容など、ますます興味深い“舞台裏”質問に、記者が全力アンサーしていきます。お楽しみに!
(構成・中塚真希子 / Makiko Nakatsuka)