MVPは誰だ? あるか、史上初の最下位球団からのMVP

巨人・村田のライバルはヤクルトのバレンティン

 シーズンも大詰めとなり、そろそろ聞こえて来るのが「MVP(最高殊勲選手)は誰なのか?」という声だ。毎年、各リーグから一人、記者投票で選出されるこの栄誉ある賞。近年では日本一やリーグ優勝(クライマックス・シリーズ敗退も含む)のチームからの選出が多いが、今年はその暗黙のルールが撤回されそうな気配も帯びている。

 リーグ優勝目前の巨人や楽天からか、はたまた最下位候補のヤクルトや逆転優勝を目論むロッテからか。今年のMVPをひと足早く予想してみたい。

 スター揃いの巨人の中で、最もMVPに近い男は村田修一内野手だろう。一時は7番や8番を打つなど低迷していた時期もあったが、7月は月間MVPを受賞する活躍を見せ、8月もセ・リーグ記録となる月間46安打を放った。特に8月は調子を落とした投手陣ばかりでなく、昨年、最多安打をマークした長野久義、坂本勇人の不調の穴を完璧にカバーし、今や巨人の4番に座る存在だ。

 巨人は主将の阿部慎之助も好調を維持しており、タイトルにこそ手が届きそうにないが、MVP候補の次点と言えるだろう。ルーキーの菅野智之の活躍も候補に入るには十分だ。が、しかし、村田がもっとも警戒しなくてはならないライバルは、阿部でも菅野でもない。猛烈な勢いで本塁打を量産するヤクルトのバレンティンだ。

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