続投か、退任か 去就報道に揺れる横浜DeNA・中畑清監督の功績

中畑監督のもと、新たな時代を築き始めた横浜DeNA

 采配の面では投手の継投などで疑問符がつけられる場合もあるが、それ以上に大きな功績がある。

 チームの抑え投手だった山口俊を思い切って、先発転向させた。この判断は中畑監督自身の発案だったという。9月30日の阪神戦(甲子園)では1-0の完封勝利。今季の成績は8勝4敗と来季は久保とともにローテの軸になっていくだろう。

 また新人の三上朋也を山口に代え、シーズン中から抑えに抜擢。ルーキーは2000年に記録した木塚敦志投手の18セーブを抜き、球団の新人セーブ記録を19セーブをマークした。

 さらに27歳の黒羽根利規をメインのキャッチャーに据え、久保や山口、三浦と組ませた。肩が強く、生え抜きキャッチャーとして将来を有望されてきた日大藤沢高校出身の9年目捕手。経験の少なさから配球のミスが目立っていたが、今年は実戦を積むことで幅が出て、大きく成長。同期入団の山口の躍進にも一役買っている。

 山口、三上、黒羽根だけでなく、梶谷、白崎、山崎、桑原、井納……。チームやファンが入団時から期待している選手を失敗を恐れずに思い切って起用したことがチームの人気の上昇につながった。村田修一(巨人)、内川聖一、吉村裕基(ともにソフトバンク)、藤田一也(楽天)らかつての生え抜きが抜けたチームにとって、新しい世代、時代を構築し始めた1年でもあった。

 中畑監督が就任後、チームを明るく盛り上げただけでなく、球団の業績向上にもつなげたことは高く評価されている。コーチ陣等の整備さえすれば、上位を狙えるチームにある。果たして指揮官はどのような決断をするのだろうか。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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