黒田博樹の「不運」を検証する 右腕はなぜ援護に恵まれないのか
MLB7年中6年で打線の援護が平均を下回った黒田、実力か運か…その要因とは
広島の黒田博樹投手が、4月25日の阪神戦に先発し、今季最多の11点という援護を受け3勝目を手にした。これでここまでの5試合は全ての試合でクオリティ・スタート(先発6回以上自責点3以下)を達成。一方で登板中の打線の援護は0、0、5、2、11。25日の試合で懸念は吹き飛んだが、MLB時代によく指摘された「打線の援護のなさ」を思い出させる登板を見せていた。
打線の援護をよく受ける投手と受けられない投手の間に違いがあるのかは、時々話題になるが、明確な答えはあまり聞こえてこない。今回はこの件について少し考えてみたい。
まず援護率という言葉について。これは防御率の「援護点」版だととらえてもらえればよいだろう。登板イニング中に受けた味方の援護を9イニング当たりに換算したものである。黒田投手のMLB時代の援護率の推移はこのような感じだった。
7シーズン中、6シーズンで平均レベルを割っている。下位25%の平均レベルのシーズンが2度(2010、2011年)、さらにそれを大きく割っているシーズン(2013年)がある。投球内容の割に勝ち星に恵まれなかったという一般的な印象を裏付けるグラフといえようか。