復調モードとなるか 巨人・村田修一の今年の苦悩と乗り越えるべき壁

これまで逆境をはねのけてきた“反骨心の塊”村田

 声援も批判も、懲罰さえも、力に変えることができるのが村田修一という野球人の魅力である。

 4月26日の神宮球場でのヤクルト戦。村田は今年初めてスタメン落ちした。それでも代打で登場すると初球をライト前へ運んだ。ただでは転ばない。そんな男だ。4月28日の東京ドームでの中日戦。屈辱の2試合連続でのスタメン落ち。しかし、野球の神は見捨ててはいない。

 中日戦では主将の坂本が左ふくらはぎを痛めて、途中交代。代わって4番に入ったのが村田だった。ラインアップの4番目に並ぶ。見た目にはなんの違和感もない。すると4回に5球目を、軽くバットにボールを合わせるようにとらえると、レフトスタンド最前列へ今季2号ソロ。笑顔はない。淡々とダイヤモンドを一周した。

 お立ち台でもいつもの明るい表情はなかった。「本来ではない姿で野球をしている自分が悔しいし、歯がゆい思い。これからも謙虚にバットを振っていきたい」。

 風貌はふてぶてしくも映るが、横浜時代から練習は一生懸命。巨人に移籍後も不調時は打撃練習を表でも裏でも、全体練習以外の時間でも行っていることは、チームメートの誰もが知っている。そうでなければ選手会長の役割は与えらえないだろう。信頼は厚いため、ナインも復帰を信じている。

 村田はいつも打順降格など原監督の“刺激剤”投与に発奮してきた。2013年にも打順を8番など下位に下げられるなどしたが、8月にはセの月間最多の46安打を放つなど逆境をはねのけ、力に変えてきた。今年のオープン戦でも2軍に落とされたが、イースタンで結果を残し、開幕戦に間に合わせてきた。反骨心の塊である。

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